日々読書、時々一杯、折々投資

私の趣味をそのままタイトルにしました。 趣味のことでこれいいなあと思ったことを書いていきます。それが少しでもみなさまの参考になればさいわいです。

藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義

藤巻氏といえば、為替レートに関する本を出版されるなど、金融専門家としてとても有名な方です。そんな藤巻氏が、社会人1、2年生を対象に6日間にわたり集中講義を行い、それをまとめたのがこの本です。

私もそうでしたが、為替に関する投資術が書いてあるかと期待してしまいますが、そういうことは書いてありません。一方で、実践に必要となる知識のみを詰まった内容となっており、これまで金融について知ったつもりになっていたことが実は勘違いであったということを知らしめてくれ、これから投資を行うのであれば、その基礎として知っておくべきことが書いてあります。

特に、先物の為替レートは予想ではないということ、経常収支の正しい見方、リパトリエーションについての誤解、単利と誤った使い方、スペキュレーターが投機で儲ける上で必要なこと、藤巻氏の現役時代のストラテジーなどは、目から鱗でした。でも、一般投資家が、藤巻氏やスペキュレーターの真似ができるかは別ですし、この本を読むと、一般投資家が逆張りではなく順張りをすべき、という理由がよく分かります。

2003年に発行された本ですので、内容には一部古いところもありますが、おそらく、金融の本質は変わっていないはず。いまでも十分勉強になります。