日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

人生で成功する上でぜったいに必要な能力は何かを教えてくれる本

続ける力 仕事・勉強で成功する王道(著者:伊藤真)、幻冬舎新書、2008年3月第一刷発行、2013年11月第二十一刷発行、

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著者の伊藤氏は、司法試験の受験指導を行う伊藤塾の塾長です。この本は、そんな受験指導の経験から「続ける力」の重要性を述べています。と聞くと、いわゆる受験勉強のための話ということで受験生意外には関係ないように思えますが、そんなことはありません。いまや、会社に入社したからといってまったく安心できない世の中。常に、勉強が求められている者こそ社会人です。サブタイトルにあるとおりまさに「仕事・勉強で成功する」ための方法論がこの本です。

 

毎年、試験結果が発表になると、私のもとには「今年は絶対受かると思っていたのにダメだったから、もうやめようと思うんです」という相談がたくさんきます(中略)「もうやめようと思う」と相談にくる受験生の大半は、勉強を続けられる環境にありながら、自分で勝手に「もう限界だ」と壁をつくっています。本当は受かるはずなのに、自分で壁をつくって勝負から降りてしまう人がどれだけ多いことか。私はそういうとき、「あと一年やってダメだったら、やめてもいい。だから、あと一年、ダマされたと思ってがんばってみろ」と叱咤します。そうして翌年に合格を果たし「一年前にやめなくて本当によかった」と言ってくれる受験生を、これまでたくさん見てきました(中略)「もう限界だ」と思うほど苦しくなったら、それはゴールに近づいた証だと思って、喜んでほしいと思うのです(39~40ページ)

 

もうやめたい、限界だと本人が言う時、それは、自分が止めるための言い訳を作っているだけということです。そういう言い訳をしたくなったときは、本当に「もう限界」と思えるほどこれまでやることをやってきたのか、と自分に問いかける必要があります。

 

将来の自分、なりたい自分をできるだけ具体的にイメージするのは、とても重要です。そうすると、「ゴール」だと思っていた合格は、たんなる「通過点」にすぎないことがわかるからです(中略)自分は合格することに決まっている、あとはその筋道にのってコツコツと続けていくだけだと思えれば、先の見えない不安はかなり解消されます(43~44ページ)

 

いくら努力しても思うような成果がでないことはふつうにあります。そうすると、ついつい人間は不安になります。これ以上続けても無駄な努力ではないか、他に方向転換した方が良いのではないかと思ってしまいます。それを乗り越え続けるための具体的な方法のひとつです。とても面白いのは、司法試験の受験生の場合、司法試験合格は「将来の自分」ではなく、その先、つまり実際に弁護士とかになって何をするのか、何をしたいのか、というのが「将来の自分」であるとされている点です。目標を高く持つという言い方もできます。

 

努力を続けているのに、見合った結果が出ないーマンネリにならぶモチベーションの敵が「スランプ」です。このやり方でいいのか、こんなことを続けても無意味なのではないかという迷いや不安、無力感は、心のスキを狙って、たえず顔を出します。しかし、スランプそれ自体はけっして忌み嫌うべきことではありません。スランプは、その人が目標に向かってがんばっていることの証明です。「自分の掲げた目標よりも到達点が低い」ということですから、そもそも高い目標を持っていない人、なんらかのレベルまで到達していない人は、スランプに陥りません。サボっている人に、スランプはないのです(56~57ページ)

 

スランプというと、ろくに努力もせずスランプを言い訳にしている、というような悪い流れで言われることがあります。しかし、伊藤氏のスランプ論はまったく逆です。世間で言われるスランプ論は、何も努力していない人が言うスランプ、伊藤氏のスランプ論は、ちゃんと努力している人が言うスランプです。最後の一文は、名言です。

 

暗記への苦手意識を克服するには、記憶のメカニズムを知って、うまく活用することが大事です。まず、大前提になるのは、「人間は忘れる生き物だ」ということです(中略)一方で、無理に覚えようとしなくても、脳にしっかり記憶されることもあります。では何が記憶され、何が忘れられるのか?それはおそらく「生きていくうえで大切な情報」だと脳が判断したものが残され、そうではないものが捨てられていくのでしょう(中略)法律の条文や英単語は、生きていくのに不可欠な情報ではありません。そのため、脳が勝手に「忘れるほう」に振り分けてしまいます(中略)そのための有効な手段のひとつが、「反復」です。一度勉強しただけでは覚えてくれない脳も、同じことを何度も繰り返してインプットされれば、「こんなに何度も入ってくるのだから忘れてはいけない重要な情報なのだろう」と判断してくれる。いわば、情報の重要性を脳に「錯覚」させるのです(122~123ページ)

 

暗記と聞くと、勉強の話だけというイメージがありますが、この話、仕事にも当てはまります。何度注意しても治らない人って職場にいると思います。そういう人の脳は、言われている内容が重要だと認識していないから忘れてしまい、同じミスをします。なので、仕事においても、同じことを繰り返し言うということがとても重要になります。何回繰り返せば重要と脳が認識するのか、という回数は個人差がありますし、中には何回言っても重要と認識しない人もいるでしょう。多くの中高年がそういう人に当てはまりますし、これは、男女関係ないです。

 

この本のサブタイトル「仕事・勉強で成功する王道」というのは、とても意味深いです。「続ける」なんて当たり前のことですが、それができない人がいかに多いかということでもありますし、また、勉強についてのテクニックとしても、いまや勉強は受験生だけでなく社会人もしないと生きていけない今の世の中においてはとても重要ですし、仕事にも直接役立つテクニックでもあります。そして、「仕事・勉強」で成功することは、「人生」で成功するということをも意味し、「続ける力」は「人生」で成功するためにぜったい身に着けるべき能力です。