日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

世の中のことはだいたい自分は分かっている(つもり)と思っている方に読んで頂きたい本

大人のための嘘のたしなみ(著者:白川道)、幻冬舎新書、2006年1月第1刷発行、

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この本は書き出しがおもしろいです。

 

私は嘘の大家である。それは私が嘘つきだからとか、小説を書いているからとは、関係がない。しかし、私ほど嘘について語ることのできる人間はそうもいないだろう(3ページ)

 

「〇〇の大家」という言葉自体はよく聞きますが、「嘘の大家」という言葉は初めて聞きました。「嘘」といえば、ふつうはよくないこと、わるいこととされています。

 

この本は、そんな「嘘」を取り上げている本です。タイトルから察するに、大人である以上、必要にせまられてつかなければ嘘があるという話しかと思われます。もちろん、そういう話もいろいろあります。人間関係を潤滑にするための、あるいは、傷つけないための嘘がそれに当たります。もちろん、嘘をすべて肯定するわけではなく、その区別は、自分の利益のためだけにする嘘なのかどうか、という基準でしています。自分の利益のだめだけの嘘をつく人、それを詐欺師と言います。

 

嘘でないものも含まれるかもしれませんが、男女関係において、男と女のギャップを分析しています。男からするとこの程度は許される、言い換えれば、相手のためを思ってついた嘘が、女からすると許せない場合、もちろん、その逆もありますが、なぜ、そこに男女間でギャップが生じてしまうのか、面白い分析をしています。

 

この本は嘘が必要なときがあるということのほかに、許されない嘘の存在も指摘しています。世の中に流されている建前、偶像、イメージが、どれだけ嘘なのかということや、世の中にはとんでもない嘘をつく人が存在するということを、著者の豊富な人生経験もまじえつつ、述べています。たとえば、「学歴なんて意味がない」という風潮には罪深い嘘が潜んでいると述べています(110~120ページ)。

 

許されない嘘ですので、自分でマネをするということはあり得ないのですが、逆に、このように建前の裏表を「嘘の大家」が分析してくれていますので、自分が嘘にだまされない、あるいは、世の中には一見もっともらしい顔をして流されている情報もじつは嘘だらけということがある、ということを教えてくれます。

 

この本は白川氏の豊富な人生経験を踏まえて書かれており、白川氏が経験したあるいは聞いた実話もところとごろ紹介されています。男女のトラブル、お金のトラブル、とんでもないロクデナシのこと、ギャンブル・投資のことなどの話しです。とてもふつうの人生経験では体験できませんし、体験したいとは思いませんが、純粋に経験談として読むだけでもとっても面白いです。笑い、呆然、驚きなど、ちょっとしたエンターテイメントです。世の中には自分の知らないこんな出来事、こんな人、こんな嘘があるんだということを教えてくれます。世の中再発見です。