日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

ふだんの生活をちょっと変える、違った体験をしたいと思っている人におすすめの本

週末はギャラリーめぐり(著者:山本冬彦)、ちくま新書、2009年8月第1刷発行、

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「ギャラリー」、日本語にすると「画廊」というのでしょうか。街中にときどきありますね。でも、正直いって、とってもフラッと入るのは無理。初めての喫茶店に入るのとのは訳が違います。なぜか?だって、自分にはとても場違い、お金持ちしか入れないのではって身構えてしまいます。でも著者の山本氏はこう言います。

 

画廊は「無料の美術館」

 

なるほど。たしかに、画廊の店内に入っただけでお金をとられるということはない。一方、美術館は、入場しただけで入場料金がかかる。そして、画廊も美術館も、どちらも絵とかの芸術作品を鑑賞させてくれる。たしかに「無料の美術館」ですね。

でも、正直これを聞いただけで、ではさっそくあした画廊に行こう、という気分にはなれないと私は思いました。そもそも美術館自体めったに行かないので。では、それでも画廊に行く価値は何だろう?という話になります。

 

観ること(鑑賞)と買うこと(所蔵)はぜんぜん違う

 

とうぜんですが、美術館では作品を鑑賞させてくれますが、それを売ってくれることはありません。仮に買うとしても、とんでもない値段の作品ばかりですから、ふつうの人が買うのは無理ですが。

一方、画廊は違います。画廊は、絵を鑑賞させてくれますが、それは、観せるためだけでなく、お客さんに作品を購入してもらうことを目的としています。つまり、自分が気に入った作品があれば購入できます。

ただ観て「この作品いいねー」と言っているだけのど、自腹をきって「この作品を手に入れたい」と思うのでは、真剣さはぜんぜん違います。そして、自分が手に入れたいと思った作品が本当に価値があるのかどうかは、誰にもわかりませんが、それゆえに、作品との真剣勝負になります。そこが、美術館にはなくて画廊にはある楽しみです。

作品とかでなくでも、本を買うのもいっしょですね。本を見る目を養うには、自腹でどんどん買ってみるしかない、とよくいいます。図書館で借りたり、あるいは、中古本を格安で購入するという方法もあり、私もそういうことをすることはありますが、やはり、それなりにお金を払うとならないと、真剣に本の良し悪しを考えるようにはなりません。それを続けていくと、だんだん、自分にとってこの本は良い本かそうでないか、が分かるようになります。わたしは、本については、タイトル、目次、著者の経歴をざっと眺めるだけで、この本を買う買わないを決めれるようになりました。それと同じですね。

 

作品は意外と高くない。ふつうの会社員の収入でも購入できる

 

いくら購入する楽しみがあっても、高すぎで買えなかったら意味がありません。もちろん、超有名な大家の作品はとても手がでませんが、若手の作家の作品であれば、数千円~数万円で購入できるそうです。これなら買えますね。

実際、著者の山本氏は金融機関の会社員で、「サラリーマンコレクター」を名乗ってます。でも、決して安い趣味ではありません。それなりにお金がかかるのも事実。山本氏は必要なお金を確保するために、ゴルフ、酒、タバコ、カラオケ、麻雀、競馬など一切やらず、また、車を持たなかったそうです。山本氏のやる気というか、気合を感じます。やるね!という感じです。

 

作家や同じ趣味の人との交流、投資としての楽しみも

 

作家にとっていちばんうれしいのは、作品を購入してくること。そうなれば、作品を購入した人と作家との交流がうまれても不思議はありません。とくに、若手の作家でこれからという人とならなさらです。また、作品の収集という趣味の人同士で交流が生まれるのも自然です。ふだん、会社とか仕事の付き合いしかない会社員にとっては、とっても魅力的なことです。正直、その交流・人脈のための会費が作品の購入代金と考えれば、1枚数千円など大した負担ではないでしょう。

これは山本氏はあまりお勧めしていませんが、若手作家が将来大物作家になれば、若手作家のころに購入した作品が値上がりして、利益を得ることもできます。そういえば、いぜん、舛添要一氏は絵画で資産運用していたという話を聞いたことがあります。

 

画廊、ギャラリー、作品、いずれもふつうの人のふだんの生活とは縁遠い言葉ですが、この本を読むと、そうでもないな、ちょっとおもしろそうなんて思わせてくれます。ろれでいて、ふだんの生活では体験できないちょっと違う雰囲気、空間を漂わせています。この本は、文字どおり、生活の質を向上させてくれる本です。