日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

壁にぶつかってる、悩んでいる、いまの状況を変えたい、そう思っている多くの人に読んで頂きたい本

番狂わせの起こし方(著者:野村克也)、青春新書、2018年3月第1刷、

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「番狂わせ」という言葉の意味を、デジタル大辞泉で調べてみると、こうなってました。

 

予期しない出来事のために物事が順番どおりに進まなくなること。また、スポーツの試合などで、実力から予想される勝敗とは異なる結果になること。「横綱が敗れる番狂わせ」

 

まず勝つだろうと事前には予想されていたチームが負けてしまう、スポーツの醍醐味のひとつと言えます。著者の野村氏は、当時9年連続Bクラスであったヤクルトを監督して建て直し、4度のリーグ優勝、3度の日本一に導いた名監督で、まさに「番狂わせ」を起こしてきた人です。そんな野村氏が、どうやって「番狂わせ」を起こすか、言い換えれば、弱者が強者に勝つためにはどうしたらよいか、を教えてくれる本です。

 

「番狂わせ」は「奇跡」とは違う

 

ちょっと意外なのですが、野村氏の現役引退からヤクルトの監督になるまでは一直線ではないんですね。この本でも述べていますが、高卒の自分が監督になれる可能性はほぼゼロなので、現役引退後に監督になることはあきらめ、野球評論家になることを目指します。そのため、さまざまな勉強をし野球評論家として活躍し、その活躍ぶりがヤクルトの目に留まってヤクルトの監督に就任しています。

野村氏の監督就任自体が「番狂わせ」とも言えますが、監督になるための裏技をつかったわけでもなく、むしろ、監督を意識せずどうしたら日本一の野球評論家になれるかだけを考えて、さまざまな本を読み勉強し研究した結果が、ヤクルト監督でした。つまり、目の前の仕事(目標の仕事と同じとは限らない)に全力で取り組みそのためにこつこつ努力をする、これが、「番狂わせ」を呼び込みます。

「なーんだ、ふつうじゃない」とも思ってしまいますが、むしろ、「ふつう」だから良いのだと思います。「ふつう」のことをすれば良いのであれば、誰でも「番狂わせ」を起こすことができるからです。

 

自分の短所から目をそらさない

 

「ふつう」のことをすれば良いといっても、それがかんたんかというと、それは別です。野村氏は、自分の短所と正面から向き合えと言いますす。

よく、「短所はそのままにして長所を伸ばせ」ということが言われますが、それとはちょっと野村氏のスタンスは違うようです。でも、野村氏は、短所を改善しろと頭ごなしには言いません。ここからが、野村氏が、いわゆる体育会系のスポ根とは違うところですが、短所を治すのも良し、あるいは、それはそのままにして他のことで短所を補うのも良し、と言っています。とっても論理的、合理的です。コンサル出身の人みたいです。

ちなみに、野村氏自身、キャッチャーなのに、キャッチャーフライが苦手という短所を持ち、キャッチャーフライの練習をしつつ、同時にバッティングの技術を向上させて短所を補っていました。

 

「ひらめき」と「思いつき」は違う

 

野村氏といえば、監督時代に、それまで誰もやっていないけれど、やってみたら確かにそれいいよね、というようなアイデアを実行してきた人です。予想外の「ひらめき」によって、試合がひっくり返る、まさに、監督の采配が光る瞬間です。

「ひらめき」に似たものとして「思いつき」があります。どちらも、悩んでいる時にとつぜんパッと何かのアイデアが頭の中に出てくる状態を指しますが、野村氏は別物と言います。「ひらめき」は、その悩みを考え続け考え抜いた結果、あるときアイデアが浮かんでくることを言うそうです。努力の積み重ねの結果ということです。

これも「ふつうのこと」ですが、それゆえ、「ひらめき」は天才だけでなく、凡人にも可能ということです。勇気付けられます。

 

凡人こそ「番狂わせ」を起こせる、弱者でも強者に勝てるということを教えてくれる本です。