日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

人生にとって大事なものは何かという普通考えないテーマをいつのまにか考えさせてくれる本

「世界征服」は可能か?(著者:岡田斗司夫)、ちくまプリマー新書、2007年6月初版第一刷発行、2007年10月初版第十刷発行、

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 とってもユニークなタイトルです。たいへん失礼ながら、この本を読むことでなにが得られるのか、まったく想像できない本です。でも、第10刷と大増刷している本ですから、期待大です。ということで、読み始めてみるのですが、さいしょに思った感想はこんな感じです。

 

〇 まじめに読むべきか、どう読むべきか、迷ってしまう

 

そもそも「世界征服」なんて、どう考えても自分の人生に関係があるとは思えない話しがテーマですから、読む前からどまどっている上に、なんと、さいしょは、アニメに出てくる世界征服の目的を4タイプによる分析です。

 

どこまで真面目に読めばいいのか、単なるアニメ論として読めばいいのか、かなり読み方に戸惑ってしまいます(笑)。でも、最後まで読んでみるべきです。

 

〇 悪とは何か

 

もちろん本である以上、ちゃんと目的はあります。この本は200ページ弱にわたって、世界征服についてのあらゆる角度からの考察をし尽くし、最後には、「何が悪なのか」ということについて結論を出しています。

 

世界征服というどうみても悪にしか見えない行動を題材として、「世界征服=悪」という単純な二元論に陥ることなく、「悪とは何か」ということについて考え、人それぞれの価値観に左右されない絶対的な定義を結論付けています。「戦争は悪か否か」という議論ととても似ていると感じます。

 

この本は、読者をアニメというとっても入り易いものから入らせ、いつのまにか深遠な哲学の世界に導いてくれます。例えると、入り口はとても小さくせいぜい10人ぐらいしかは入れない居酒屋かと思いきや、実際には入ってみたら、うなぎの寝床みたいに長く、50人ぐらい入れる居酒屋だあったことに気付いたときの驚きに似ています(笑)。

  

〇 この本を読む価値はあるのか?

 

ルパン三世の映画に「1$ マネーウォーズ」というのがあります。この映画は、ヒトラーとかの過去に世界を征服しようとした指導者が持ったことがあり、それを手に入れたものは「世界の王」になれるといわれている「幸運のブローチ」をめぐって、ルパンと銀行頭取シンシアとの争奪戦を描いています。そんな中、相棒の次元大介が、そんなブローチを手に入れてどうするのか疑問に感じ、こう質問します。

 

次元「ルパーン帝国でも造ろうってのかあ?」


ルパン「そンなアホじゃねーよ」 

 

このやりとりを見たとき、わたしはちょっと不思議に思いました。「世界征服って現実味は確かにないけど、でも、本当にできたらそれはそれで楽しいのでは?なぜアホなんだろう?」 と私は思ったからです。

 

そんな疑問があったので、その疑問が解消するかもと思い、「世界征服」というタイトルに惹かれてこの本を読みました。読んでみて、疑問は解消しました。この本で分かったことは、

 

世界征服しても大変は大変、世界征服は割りに合わない

 

ということです。ルパンが「アホ」と言った理由がよーくわかりました。ということで、世界征服を夢見る人、実行する前にぜひこの本を読んで欲しいです(笑)。

 

言い換えます。

 

世界征服を実現した人とは、この世の中をすべて支配する独裁者です。独裁者とはすべてを思いのままにできるので、世界征服って悪くないのではとおもってしまうのですが、意外と独裁者の人生はそれほど幸せにも見えないというのが現実です。「北朝鮮金正恩は幸せか?」という話しです。人生は単純ではありません。

独裁者の大変さを知ることを通じて、自分の人生にとって何が大事なのかということを気付かせてくれたり、自分はどういう人間なのかを見つめなおさせてくれます。

 

さすが第10刷を達成した本です。