日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

1000円にも満たないお金で周りの人に差をつける方法を習得できる本

理科系の読書術(著者:鎌田浩毅)、中公新書、2018年3月初版、同年4月再版、

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著者の鎌田氏は火山学、地球科学を専門とする大学教授です。仕事柄、大量の文書や、分厚くて難しい専門書を多数読んでいることになります。そんな鎌田氏が述べる読書術に「理科系」とついているのも納得です。

では、この本はそういった難しい、専門的な本を読む人のための読書術の話かというと、そうではありません。読書の上級者である鎌田氏が、若い人が読書に対して苦手意識を持っている現状を何とかしようということで、読書を苦手とする人向けにわかりやすく入り易い読書術を紹介してくれています。

 

〇 徹底的に読書の視点、立場に立った読書術を紹介。読書が苦手なのは読者自身の責任ではない。

 

 

「難しい本を読まないと意味がない」、「本は最後まで読みきらないといけない」、「本が理解できないのは読者の理解が悪いから」といったイメージを、読書が苦手な人ほど読書に対して持っていることがあります。この本は、そういった読書に対するイメージをことごとく壊してくれ、読書に対する苦手意識、ハードルを引き下げてくれます。

 

さらに素晴らしいのが、そういった苦手意識、ハードルを引き下げてくれる読書術の説明が、とっても分かりやすく端的です。たとえば、「本を読んでみたはいいけど内容が難しくて何が何だか分からない」ということから読書に苦手意識を持っている人に対しては、

 

これに対して私は特効薬を持っている。それは「難しい本は著者が悪い」と考えるのである

 

とアドバイスしてくれています。どうしても「本は難しいのが当たり前」、「難しい本だからこそ読む価値がある」と考えてしまいがちな人の読書への苦手意識を吹き飛ばしてくれます。ほかにもいろんなアドバイスがこの本では述べられていますが、共通しているのは、徹底的に読者の視点、立場にたった読書術を紹介しているところです。

 

それはふつうのことではないかと思う方もいると思いますが、そうとう画期的なことだと思います。

鎌田氏は、専門の火山学、地球科学に関する本だけでなく、仕事術、勉強法といったビジネス書もを何冊も執筆しています。この本の著者紹介によると、この本以外に15冊執筆しています。つまり鎌田氏は著者の立場に立つ人です。著者の立場からすると、自分の書いた本が難しいとか分かりにくいと言われると、「このぐらいの内容であればがんばって読者の人に理解して欲しい」、「これ以上分かりやすく説明するなんて到底無理」とついつい、読者に責任を転嫁したくなってしまいます。

つまり、本を読む読者のことは一切責めずに著者が全面的に自分の責任であると言っているのが、鎌田氏の「著者が悪い」という言葉であり、なかなか言えない言葉だと思います。

 

〇 「読書ブログは読書術として超オススメ」と、おそらく鎌田氏は言うはず

 

鎌田氏は読書の重要性、意義をこの本で主張していますが、一方で、本の読みすぎはよくないとし、

 

読書と思索のバランスを上手に取ることによって、人生の達人になれるのだ

 

と述べています。たとえば、ビジネス書とか仕事で必要な本を読む場合を考えてみると、ただ本を読むだけでは意味がありません。本を読むことは手段であって目的ではなく、目的はそれとは別、例えば、「何かについての新しい知識を身につける」、「仕事術を上達させる」といったことが目的になります。言い換えれば、本を読むのはいいけれど、その内容を理解し消化し自分自身に定着させるプロセスが必要です。

これはよく分かります。私の場合、本を読むのは好きですが、読んだはいいけど、ただ読んだだけでちゃんとその内容が自分の身についているのか、ということが時々不安になります。つまり、どうすれば、読んだ本の内容を着実に自分のものにできるのか、ということを考えてしまいます。

 

鎌田氏は読書と思索のバランスが大事とは延べているものの、どうやってバランスをとればいいのか、ということについてこれ以上具体的には述べていません。しかし、わたしが思うに、本を読みその感想をブログに書く、つまり「読書ブログ」は、鎌田氏の言う「読書と思索のバランス」をとるのにとっても良い方法です。

 

もともとこのブログをわたしが始めたのは、せっかく本を読んだはいいけど、内容をすぐに忘れてしまうしもったいないから、ブログにメモをしようと思ったのがきっかけです。そしてこのメモの内容を考える時、それがすなわち「思索」のときに当たると思います。

この本を読んで、読書ブログがとっても意味のあることだと実感することができました。ブログを読まれる方は、自分自身でもブログを書いているケースが多いと思います。読書ブログをしている方、この本を読むともっとブログをがんばろうという気持になります。もっとも、鎌田氏はブログについて何も言っていないので、わたしが勝手に感じているだけですが(笑)

 

〇 読書離れの今だからこそ、読書で周りに差をつける

 

この本によると、大学生は「本は高い」と思っているようです。たとえばこの本の値段は、820円+税、つまり1000円未満ですが、これでも高いのでしょうか?わたしは高いという評価に疑問を感じますが、「高い」と思う人は、金額自体ではなく、「コスパが悪い」と思っているのでしょう。

 

このことは、読書をすることで、どれだけのパフォーマンスを引き出すことができるか、というまさに読書術の差が評価の差に現われていることを意味します。つまり、同じ本を買って読んでも、その本からどれだけのものを得られるのか、というのは、人によって、持つ読書術によってぜんぜん違い、したがって、人によっては、値段以上のパフォーマンスを引き出すことも十分可能ということです。つまり、読書術を習得することは、周りに差をつけることにつながります。

 

「人と同じことをしていてはだめ。違うことをしろ」ということは、よく言われることです。たしかにそのとおり。

その意味では、いま読書離れが進んでいる以上、読書をすること自体が周りに差をつける有力な方法ですが、さらにこの本を読むことで読書術を習得し、読書をしている周りの人に対しても更に差をつけることができます。

 

1000円にも満たないお金で周りに差を付けられるとすれば、これほど「安い」、「コスパの良い」方法はなかなかないでしょう。