日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

孤独老人なんて関係ないと思っている人、すでに孤独老人になってしまった人、みなさんに読んで頂きたい本

「さみしさ」の研究(著者:ビートたけし)、小学館新書、2018年12月初版第一刷発行、

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「「さみしさ」の研究」というタイトルからすると、さいきんよくある孤独でも構わない、孤独を楽しもうといった内容が推測されますが、この本の内容はぜんぜん違います。

また、「さみしさ」という感情は、年齢にかんけいなく心にうまれてくるものですが、この本は、ある程度齢をとった人の「さみしさ」の問題をとりあげています。とくに男性老人の孤独がさいきん問題となっていますが、まさにそういう人が、特に会社をやめてからの人生を楽しく生きるためにはどうすればいいのかということを教えてくれる本です。

この類の本はさいきん何冊もでていますが、この本の内容は一味違いますし、秀逸だと思います。


〇 自己を客観視する

 

この本では、老人は「さみしさ」とどう付き合っていけばいいのかということについて縷々述べられていますが、その中でも強烈な印象なのは「若者に媚びるな」(22ページ)だと思います。これは、一見すると、老人は老人らしくという生き方とは反対の生き方のようですし、いわゆる暴走老人を擁護しているとも読めないこともありません。おそらくこれを表面的に実行すれば、確実にそうなるでしょうし、周りからとうてい受け入れられないでしょう。

 

一方でビートたけし氏は、「自己を客観視する」ということの重要性を述べています。本の中で明示的に述べられているわけではありませんが、この本で述べられている内容を表面的に実行するのでは意味がないし、おそらくとうてい幸せな老人生活は送れないと思いますが、「自己を客観視する」ことをした上でであれば、きっと幸せな生活が送れるということではないかと思います。その意味で「自己を客観視する」ことは、この本の基礎をなす重要な言葉です。

 

ではなぜ「自己を客観視する」ことが重要なのか?

それは、無理に背伸びをせず、また逆に無理に萎縮せず、自分らしく生きるためには、自分が何をしたいのか、何ができるのか、何が必要なのかを見極めることが必要なためでしょう。「自分らしく」という表現もできます。

「自分らしく」というとどうしても若い人向けの言葉に聞こえますが、そんなことはありません。年齢に関係なく「自分らしく」生きることは、楽しい人生を送るためにぜったい必要な条件です。暴走老人などと周りから言われてしまう老人は、おそらく「自己を客観視する」ことができていないので、自分は望めば何でもできる、何でも実現すると思い込んでいるのでしょう。空回り状態です。

 

〇 疑り深くなる、本を読もう

 

「自己を客観視する」ことができていれば、じつは疑り深くなります。ぜんぜん関係ないような2つの事柄ですがそうでもないんです。ビートたけし氏は、定年になったら新しい趣味を持ちましょうなんて無理と述べていますが(30ページ)、私はこれを読んで、定年間際の老人をターゲットにいろんな業界が、あれしましょう、これしましょうと誘ってくる、これを疑わなければいけないのだなと感じました。ビートたけし氏が述べているとおり、いきなり趣味が上達するわけではなくすぐに挫折するのがオチなわけですが、業界はしっかり儲けることができるわけです。

「自己を客観視する」ことができていれば、業界からそういう誘いがあっても、「自分がそんな簡単にできるわけない」とすぐに気付けるわけで、そうなれば、すぐに挫折してしまうような趣味に大金をつぎこむといったバカなことにはなりません。業界は「やる気さえあれば上達します」とか耳障りのいいことを言いますが、しっかり疑うべきです。

 

話が少しそれますが、疑り深くなるというのは、老人だけでなく、若い人にもとっても重要です。この本ではいつくかの事例を紹介していますが、お金の動きがどうなっているのか、誰が得をして誰が損をするのかという観点から疑り深くなれば、変なことにはならないでしょう。学校教育ではこういうことは教えてくれませんが、世の中を生きる上ではとても重要なスキルのひとつなのは間違いありません。道徳教育の話しはとても分かりやすい(P128ページ)。

 

老人に話を戻すと、ではどうすればいいのか?まだ30代、40代であれば、ゆっくり時間をかけて趣味を育てればいいのですが、50代、あるいは、あと数年で定年という人にとっては、問題はちょっと深刻です。これは、ビートたけし氏も少し述べており(32ページ)、また私の考えでもあるのですが、お金もそれほどかからず、しかも、誰でも簡単にできるもの、それは「読書」です。「読書」を趣味にすべきです。

 

「読書」が趣味だとしても、それはひとりで行うもの。それがすぐに誰かとつながりができるわけではありませんし、別にみんなと「読書会」をするという話しでもありません。「読書」を重ねていくと、しぜんとその人の知識が増えていき、話の間口がどんどん広がっていきます。もちろん、ひとりで読書をするのもよしですが、話しの間口が広がれば、人との付き合いもひろがっていき、楽しい老人人生が送れるでしょう。それに、「読書」を通じて知識が増えれば、人の話しの裏も疑うことができるようになります。一石二鳥ですね。

 

〇 老人はお金をケチってはいけない

 

この本でこういうことが言われているわけではありませんが、俳優の故松方弘樹氏が生前どれだけ豪勢だったのかということが、死後も人の記憶に残っているという話が紹介されています。この話を聞いて、年をとればとるほどお金をケチってはいけないということを痛感しました。もちろん、老人だけでなく若いうちからできればなおさら良いでしょう。以前読んだ本にもそんなことが書いてありました。

 

mogumogupakupaku1111.hatenablog.com

 

和田氏は本の中で「ケチでない」ことを、楽しく老人生活を送る上で必要な3つの条件のうちの1つとしてあげており、かつ、その3つ全部が必要とまでは言っていません。

「ではケチでもいいのではないか?」と思うかもしれません。たしかにそのとおりです。それでも私がケチってはいけないと思う理由は簡単です。とても簡単に実行できるからです。じ

もちろん松方氏のような豪勢なことはとうていできませんが、さっそく明日から、自分より若い人と飲みに行ったり、あるいは、ランチに行ったりしたら、全額だしてあげましょう。それぐらいは何とかなるのではないでしょうか。楽しい老人生活のためであれば安いものです。