日々読書、時々一杯、折々投資

私の趣味をそのままタイトルにしました。 趣味のことでこれいいなあと思ったことを書いていきます。それが少しでもみなさまの参考になればさいわいです。

人間関係でなんかモヤモヤ、イライラしたときは、ノートにメモって解消しましょう!

人が生きていくには、どうしても他人とかかわらないといけません。そうすると、どうしても避けられないのが、人間関係の悩みです。みなさん、ふだんの生活の中で、こんな思いをしたことよくあるのではないでしょうか?

 

さいきん、〇〇さん(友人、職場の上司、同僚、部下)、わたしに対して、

 

〇 なんか冷たい

〇 態度、様子が変わった

〇 そっけない

〇 嫌ってる

 

などなど・・・

 

こういった人間関係の悩みは、ほかの悩みとは違って、それを解決するためにとれる行動があるとは限らないところが難しいです。

たとえば、悩みの原因の人に、「なにかわたしがあなたに気を悪くすること言った?」と聞いたとしても、それで問題が解決する可能性は低いでしょう。なぜなら、

 

①本当に気を悪くしている場合、ふつう正直は答えず「なんでもない」と答える、

②本当は気を悪くしていない場合、「なんでもない」と答えてくれますが、それを額面通り自分が素直に受け止められるかどうかわからない、

 

という問題があるからです。そして、②の本当は気を悪くしていない場合、そういうことを聞いたがために、かえって人間関係が悪化するという可能性あります。いわゆる「藪蛇」というやつですね。

 

そうすると、こういう問題に直面した場合、唯一できる確実な方法は、

 

気にしない、反応しない、

 

ということになります。

でも、それで自分の気持ちはおさまるでしょうか?表面上、そういう態度をとることはできたとしても、心の中は、モヤモラ、イライラでいっぱいです。こういう状態は、とても精神衛生上よくありません。この状態が行き着くと、下手すると、心を病んでしまい、日常生活に支障を来してしまいます。

 

そこでわたしがおすすめる方法が、

 

モヤモラ、イライラの内容、それに対する自分の思い、言い分、不満をノートに書き込む

 

というものです。

 

書いても状況はまったく変わりませんが、意外や意外、書き込むと心が落ち着くんですねえ。

なぜだろうと原因を考えてみると、書き込むことで、自分の思いを外に出すことになりますので、これって、誰かに聞いてもらったのと同じような効果が得られるのではないかと思います。人間だれでも、自分の考えや思いを誰かに共感してほしいという強い願望がありますが、ノートに書き込むことで、疑似的にその効果が得られます。

 

そして、ノートに書き込むことは、もうひとつとても大きなメリットがあります。それは、

 

後から振り返ることができる

 

というものです。ノートに書き込むということは、日記をつけているのと同じです。もし、なにかモヤモヤ、イライラに直面したら、書き込むだけでなく、過去のノートを読み返してみましょう。そうすると、

 

いぜんも同じような悩みを持ことがあったんだなあ

 

ということに気づかされます。そして、そのときの悩みがじつは自分のただの勘違いにすぎなかったということであれば、

 

自分はいまモヤモヤ、イライラを感じてるけど、これも以前のと同じように勘違いかもしれない

 

と思えることができ、とても気が楽になるでしょう。

 

たったノート1冊で心の平和が得られるのです。安いものでしょう。わたしは、紙のノートに手書きで書き込んでいます。ふつうはパソコンかスマホに入力ということかもしれませんが、あえて手間をかける方が効果があるような気がします。

そして、もう1つの理由。これが結構重要だと思うのですが、パソコン、スマホのデータは流出するリスクがあります。ノートの内容は絶対他人に見られてはいけないものです。わたしはけっこう真剣に心配して対策をとっています。

 

これでできなけければもうダイエットは無理かもと思うぐらいのダイエット法です。わたしはさっそく始めました

1日20回からの腹も凹む究極のメニュー 神スクワット(著者:森俊憲)、宝島社新書、2018年3月第1刷発行、

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この本はスクワットの正しいやり方を教えてくれる本です。著者の森氏は、体重を減らす(ダイエット)こと自体をスクワットの目的としてはいけないと述べていますが、しかし、スクワットを始めるきっかけの多くは、ダイエットが多いと思われますし、スクワットがダイエット効果をもたらすのも事実だと思います。

 

さて、ダイエットには3つの方法しかありません。

 

① 摂取するカロリーを減らす

② 消費するカロリーを増やす

③ ①と②の両方を行う

 

この本は、「②消費するカロリーを増やす」ための方法を紹介しています。これ自体はおどろきませんが、この本は、「①摂取するカロリーを減らす」といういわゆる食事療法を推奨していません。おどろきです。ダイエットといえばまっさきに食事療法を連想する人も多い中で、ダイエットの常識に反する方法論を提唱するのがこの本です。

  

〇 スクワットに年齢は関係ない。むしろ、中年以上にこそ必要

 

スクワットと聞くと、どうしても若い人にしか関係ないことというイメージがあります。中年、わたしのような40代には無縁に思えます。

しかし、森氏は、年齢は関係ないとはっきり述べています。

 

筋肉をつけるのに年齢の上限はありません。60歳を超えていたとしてもしっかりトレーニングをして、十分な栄養と適切な休養をとる。このサイクルを繰り返すことで(もちろん個人差はありますが)、年齢にかかわらず筋繊維は太くなり、ハリのある筋肉が作られていきます

 

なんとも勇気付けられる言葉です。60歳を超えていても筋肉を作れるのなら、ましてや40代、50代の中年はとうぜんできるはずです。ぐずぐずしてはいられません。

さらに森氏は、高齢になったとき、寝たきり早死にしないためにも、筋肉をつける必要があると述べています。人生80年、ひょっとしたら100年と言われる時代が来るかもしれないのに、せっかく早死にしてしまう、あるいは、寝たきりになってしまう、こんな悲惨なことはありません。

 

中年、高齢者こそ、スクワットすべき

 

なのは明らかです。

 

〇スクワットをしない理由は論破

 

「でも、すごいいっぱい回数こなさないといけないから無理」

 

と思う人もいるでしょう。

しかし、森氏の提唱するスクワットは、なんと、

 

1日20回

 

です。回数はスクワットをしない理由になりません。

 

「ただでさえ仕事で疲れているのに、スクワットなんかしたらさらに疲れる。仕事に差し障る」

 

こう思う人もいるかもしれません。

しかし、森氏に言わせるとこれは逆だそうです。朝にスクワットをすれば、全身の血行が促進され脳がシャキッとし、むしろ仕事にプラス効果があると森氏は言っています。また、仕事の疲れとスクワットの疲れは、疲れの種類が違うので、仕事で疲れていてもスクワットにより仕事の疲れを筋肉の疲れに変換することができ、気持ちよくリフレッシュすることができるとも森氏は述べています。

 

「スクワットなんかしたら足が太くなってしまう。スタイルが悪くなる」

 

こういう意見もあるでしょう。

森氏によると、これは完全な誤解だそうです。スクワットをすることは、むしろ下半身のシルエットを鍛える効果のため、足が太くなるとどころか、足が引き締まる効果が期待できるそうです。具体的には、足がまっすぐ長く見える視覚効果です。むしろスタイルが良くなりそうです。

 

〇わたしはさっそく始めます

 

スクワットによるメリットがあることは明らか、そしてスクワットによるデメリットがないことも明らかとなれば、もう結論は出ています。

 

あとは実行あるのみ

 

です。

ということで、わたしはさっそく始めることにしました(2018年10月11日)。トレーニング自体は1年ぐらい継続して行うことが必要ですが、途中の節目の時期というのがあり、森氏によるとそれは、3か月目だそうです。

そこで、わたしのとりあえずの目標は、

 

3か月間、この本の方法に従ってスクワットを続ける

 

ということにします。

食事回数を減らすとこんなに良いことがある。わたしは10年近く1日1食を続けています。

みなさまは、1日何回食事をするでしょうか?「朝、昼、晩の3回に決まっているではないか?」という答えがかえってきそうです。しかし、わたしは、ここ10年近く、

 

1日1食

 

で過ごしています。きっかけは、ダイエットです。体重を落とすには、摂取するカロリーを減らすか、消費するカロリーを増やすか、あるいはその両方を実行するか、3つしか方法はありません。摂取するカロリーを減らすために、夜だけ食べるという1日1食を始めました。じっさいやってみて、始める前には予想しなかったメリットがありました。

 

〇午後の仕事の効率が上がる

 

多くの人がそうですが、食べると眠くなります。つまり、お昼を食べると午後眠くなる可能性が高いです。でも、お昼と食べなくなってから、眠くなることがなくなりました。

でもやはり眠いという方は、お昼休みにご飯を食べる代わりに、昼寝をすることをおすすめします。これはいいですねえ。わたしもときどきやりますが、しゃきっとした状態で、午後の仕事を始められ舞うs。

 

〇早く家に帰ることができる

 

お昼を食べない代わりに、わたしはきほん、お昼休みもずっと仕事をしていました。お昼休みが始まっても一切手を緩めず、午後が始まっても同じペースで仕事していました。こうすると、当然ですが、残業をしないですんだりして、早く家に帰ることができます。

あと、午後の仕事のペースがあがります。お昼に仕事を中断すると、集中力がとぎれたりしてしまうんですね。たとえると、せっかく暖まったエンジンが、昼休みで冷えてしまい、また午後はゼロから暖めなおすという感じでしょうか?

午後の仕事のペースがあがれば、とうぜん、その分、早く家に帰れます。

 

〇無駄なお金を使わずに済む

 

お昼ごはん代は、1日1000円とすると1か月22000円(平日だけで)です。22000円の支出が大金かどうかは収入によりけりですが、22000円あれば何ができるかと考えると、決してはした金ではありません。

この22000円はじつはただの22000円ではありません。お昼を食べるということは、わざわざ22000円も払って、午後の仕事の効率を犠牲にしたり、勤務時間終了後の自由時間を減らしていることになります。ふつう、そんなことにお金払う人はいません。1000円でもイヤでしょう。

お金の使い方としてとてももったいないあと思います。

 

一方で、こう思う人もいるでしょう。

 

〇1日1食ではお腹がすいてしまい、かえって良くないのでは?

〇1日1食としても、朝食だけは欠かすべきではないのではないか?

 

じっさいにやってみるとわかりますが、1日1食にすると確かに空腹を感じることがあります。でも、それはさいしょだけ、だんだん感じなくなります。だんだん体が慣れてくるんですね。つまり、1日3食が当たり前と体が思っているから、ご飯を食べろというメッセージとして体が空腹のサインを送ってきているにすぎません。わたしは10年近く1日1食ですが、健康診断で問題を指摘されたことはありません。

 

あと、朝食は特に大事という意見もあります。でも、これ根拠ないと思います。よく言われることではありますが、おそらく、農家の習慣がまだ残っているということではないでしょうか?

農家は朝が早く、そして、夕方まで家に帰ってこれません。また、近所にお昼を食べるお店があるわけではありません。力仕事も多く体力をとても使います。そうすると、家で食べる朝食が重視されるのはわかる気がします。

でも、一般の会社員の場合どうでしょうか?特に1日屋内で事務仕事というような仕事も多いです。別に朝がすごい早いわけでもありません。そうすると、農家の習慣を会社員が真似る必要はないです。

いまは都会に住んでいる人でも、本人、あるいは、その両親、さらにはその両親が、もともと農村出身で都会に出てきたという人は多いです。住む場所は変わっても意識、習慣はそのままということです。

 

食事は、体内に食べ物を取り込む行為です。食事回数が何回であっても、自分にとって極めて重要な行為であることは間違いありません。自分の体調、ペースを大事にして食事に向き合うことが大事です。

 

 

日経平均株価、バブル崩壊後の高値を更新!いよいよ日本株の買い時か?わたしはそうではないと思う。

日経平均株価が上昇しています。

 

 1日の東京株式市場では、円安・ドル高を好感して輸出関連の電機株などを中心に買いが進み、日経平均株価終値は前週末比125円72銭高の2万4245円76銭と続伸、バブル後の高値を更新した。1991年11月13日以来、約26年11カ月ぶりの水準。東証1部全銘柄の動きを示すTOPIXも0.71ポイント上昇の1817.96と続伸した。

 取引時間中に1ドル=114円近くまで円安が進行。米国とカナダが北米自由貿易協定NAFTA)の再交渉で合意したことも株価の支援材料となった。日銀が1日朝発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断指数が3期連続で悪化したが、株式相場への影響は限られた。

 米国と中国などの通商摩擦に対する懸念などから、慎重な業績見通しを維持している企業が多いが、市場関係者は「最近の円安を考慮し、10月下旬以降に本格化する決算発表で通期業績見通しを上方修正する動きが出てくる」(大手証券)とみている。(2018年10月1日時事通信

 

ところで、バブル期、つまり、日経平均株価のこれまでの最高値はいくらかといいますと、

 

3万8915円87銭(1989年)

 

なんと、昔はこんなに株価が高かった時代があったんですねえ。驚きです。では、このままもっと株価は上昇するのでしょうか?そろそろ株を買うべきなのでしょうか?

私の結論を先に言いますと、

 

そろそろ株価の上昇も終わりが近づいている可能性が高く、これから株を買うのは得策とは言えない

 

というものです。なぜ、このように考えるのかといいますと、わたしがかなり信憑性が高いと思っている考え方のひとつに、

 

素人が参加しだしたら相場は終わり

 

というものがあります。

 

歴史的に相場というのは、プロが儲ける一方で、その裏で素人が損失を押し付けられる、言い換えれば、素人の損失でプロが儲けるというものです。理由は簡単で、プロしか参加していない相場の場合、あるプロがそろそろ高値が近づいたと思い株を売ろうと思うとそのときは他のプロもみんな売ろうと考えます。ここで売ってしまうと、取引が成立しない、成立しても相当値が下がってしまいます。つまり、プロが高値が近づいたと思うときに逆に今が買い時と思って相場に参加してくれる人が必要で、それが素人つまり個人投資家です。この現象は、

 

素人の高値掴み

 

とも言います。素人は株が相当上昇してから買ってしまうということです。ここまでは同意してくれた人でも、まだ疑問はあります。

 

なぜ、いまがその時期と言えるのか?

 

ということです。厳密には今すぐではなく、もう少し先かもしれませんが、そう思うのには根拠があります。

 

この記事を見たら株を買いたくなる人が多く出てくる

 

ということです。勧誘のための記事とは言いませんが、しかし、効果としては同じです。

私が思うのは、株価がすごい上昇しているなんていう記事が出て、株価に注目が集まる時点で、もう盛りは過ぎているということです。この前の仮想通貨バブルでも、大きく儲けた人は、世間で仮想通貨の暴騰振りが話題になってから仮想通貨相場に参入した人ではありません。まだぜんぜん注目されていない時期から参入していた人です。話題になってから参入した人は大損しています。これと同じです。

ついこの間、あるネット証券のホームページを見ていましたが、

 

日経平均、来春3万円に

 

という専門家の予想を発見してしまいました。素人を株相場に取り込もうという思惑が見え隠れしています。そういえば、バブルの頃、日経平均株価が3万円の大台に乗った時、某大手証券会社は、

 

日経平均、4万円の大台の可能性大

 

なんて言って、せっせと素人に株を勧めていました。歴史は繰り返すとはまさにこのことです。

ところで、4万円台という強気の予想が出た後の実際の日経平均株価は、1990年に、4万円どころか2万円台前半になってしまいました。

 

相場の世界にはこんなことわざがあります。

 

噂で買って事実で売る

 

いま日本株を買うと判断することは、事実で買っていることにならないでしょうか?

 

読書好きな人に読んでいただき、自分の本当の気持を確かめて欲しい本。読書好きでない人にも役立つ本です

勉強法 教養講座「情報分析とは何か」(著者:佐藤優)、角川新書、2018年4月初版発行、

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この本は、冒頭、この言葉から始まります。

 

暗さは暗いと認識して初めて、明るくするための現実的方策を考えられるのだ

 

なにごとも、自分がいま置かれている状況を正確に把握することから始まります。これができなければ、どんな問題も解決することはできません。そして、状況を正確に把握するツールが情報分析です。この本は、情報分析とは何か、そして、そのために必要な勉強法について教えてくれます。佐藤氏は元外務省の役人で、情報分析の専門家ですので、情報分析とは外交、インテリジェンスのそれを指します。この本は、勉強法、情報分析についての本であると同時に、インテリジェンスの世界を垣間見せてくれます。

 

〇インテリジェンスの常識から歴史教育を考える

 

インテリジェンスの世界のものの考え方、見方をこの本で佐藤氏は紹介してくれますが、その内容には、一般人から想像もつかないものがあります。インテリジェンスというと非合法活動のイメージがありますので、想像がつかないのは当たり前といえば当たり前ですが、わたしが感じた想像もつかなさはそれとはちょっと違います。

 

インテリジェンスは常に物語として出てくるということを、認識しなければいけない(中略)ですからインテリジェンスを勉強するとき、いちばん重要なのは、実は文学なのです。

 

驚いたのではないでしょうか?ここでいう「文学」とは文字通りの意味、つまり、一般的な「文学」という言葉つかいと同じつかい方をしています。またここで佐藤氏は、「物語」という言葉を使っています。そしてちょっと意外なのが、歴史も物語であると分類しています。

 

歴史と聞くと、過去の事実の塊であるというのが一般的なイメージではないでしょうか。学校で勉強した日本史や世界史のテキストには、いつどういう出来事があったという事実がならべられています。歴史の歪曲をしない、歴史を直視するみたいなことが話題になります。とくに中国や韓国との間の歴史問題のときに言われます。しかし、この本を読むと、そもそも歴史というのはそういうものではないということがわかります。

 

イギリスやロシアは、国家あるいは社会が歴史の継承を、システムとして埋め込んでいます。教科書の中にそれがよく表れている。日本の歴史教科書は事実載られるだけで、立場がありません。どの国の歴史なのかよくわからない。世界史というのは決して一つではなく、史料選択のところで既に歴史観が入っています。ところが我々は、中立的な世界史があると勘違いしています。

 

「なぜ歴史を勉強しないといけないのか?」という質問に対しては、歴史を学ぶことで過ちをしないで済むというのが答えの一つでしょう。いわゆる歴史問題はこの文脈で語られます。しかし、歴史とはそもそもそういうものではないようです。

そうすると、「なぜ勉強しないといけないのか?」という疑問はなお残ります。わたしも答えはありません。ただ、すくなくとも各国は歴史をとても重視し、その国にとっての「歴史」をしっかり教えています。わたしはなぜ各国のようにすべきかということについて答えは持っていませんが、すくなくとも言えるのは、各国がこのようにして歴史を教えそれにより自国の立場・考え方を承継させている以上、日本も対抗して同じように日本にとっての「歴史」を日本人に承継しなければならないし、理由としてはそれだけでも十分だと感じます。別に愛国教育とかそういう話ではなく、いまがあるのはなぜかという過去との連続性を勉強し、それにより、自分自身、いまの社会を正しく理解するということです。

 

各国に比べると、日本ではなぜ歴史を学ばないといけないのか、ということの理由が明確になっていないようです。それゆえ歴史の勉強とはただの知識の習得にすぎないとされ、だから、知識は多ければ多いほど良いとばかりに何でも詰め込むのでしょう。どう考えても、まだ日本が外国とまったく交渉のなかった近代以前の外国の歴史を学ぶ必要があるのか、さっぱり分かりません。たとえば、古代ローマ帝国の歴史とか、アメリカの独立戦争についてなぜ知らなければいけないのでしょうか?また、日本史でも、縄文時代弥生時代の土器の話しとかをなぜ知らないといけないのか、まったく意味がわかりません。

 

〇勉強法の話しだけど、勉強以外でも役立つ

 

この本は勉強法の話しですから、この本で紹介する勉強法により実際に勉強することが読者には推奨されています。でも、そうはいっても、実行することはなかなか難しいです。

たとえば、世界情勢を正確に理解するには歴史を知っている必要があると佐藤氏は言っています。なので、シリア情勢を正確に理解するには、その歴史を知らないといけないということになりますが、一般人がそれを勉強するのはとても無理です。

では、この本の勉強法は役に立たないかというとそうではありません。自分は勉強していなくても、たとえば、シリア情勢を解説している人が複数いるとき、誰の話を信じればいいのか、というときの判断材料になります。

 

また、別に自分はシリア情勢に興味がないという人もいるでしょう。それでも、勉強法は役に立ちます。歴史が大事ということは、経緯が大事とも言い換えることができます。なにか目の前に問題がありそれを解決しないといけないとき、目の前だけを見ていてもだめで、そうなってしまったこれまでの経緯も見てみるという感じで、勉強法をふだんの生活に応用することができます。

  

〇こんな人になりたい。それが無理でも、こんな生活を送りたい

 

ふだんの生活では、仕事とかにいそがしく、佐藤氏がこの本で紹介する勉強法を実行することはなかなか難しいです。でも、ひとつ確実に言えるのは、佐藤氏が紹介する勉強法をちゃんとやれば、世の中の動きを正確に理解できるということです。ひょっとしたら、テレビに出て解説している人よりも正確に理解できているかもしれません。

別に世界情勢だけではありません。日本国内のことも同じです。佐藤氏はこの本で、山本太郎参議院議員園遊会天皇陛下に手紙を渡した行為(2013年10月31日)について論評していますが、当時一般的に言われていたことと全く異なる論評であり斬新です。それでいてとても説得力があります。佐藤氏の説く勉強法の威力が炸裂しています。こんなことが言えるような人なれたらいいなとあこがれます。

 

ただ、佐藤氏レベルに達するのは容易ではありません。これが現実。

わたしは、それとは別の魅力を感じます。それは、ここで紹介している勉強法をしっかり実行する、つまり、勉強に時間をいっぱいかけられるという、そういう生活を送ること自体に強いあこがれを感じます。渡部昇一氏の本に「知的生活の方法」という本があります。

 

mogumogupakupaku1111.hatenablog.com

 

この本を読んでわたしは、読書に明け暮れる生活にあこがれるようになりました。日常にまぎれて忘れかけていましたが、佐藤氏の本を読んで、そのことを久しぶりに思い出し、また、あこがれに火がついたようです。

読書が好きな人は、ぜひ佐藤氏の本を読んでみて、自分の読書好きがどの程度の強さなのか確かめてみてはいかがでしょうか。そして、それが相当強いものであることが確かめられたならば、その夢の実現に向けて歩む出すことができます。

佐藤氏の本があなたの背中を押してくれます。

人生で失敗せず後悔しないためにかならず身に付けるべき能力を知りたい人におすすめする本

 「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?~世界一わかりやすい経済の本~(著者:細野真宏)、扶桑社新書、2009年3月初版第一刷発行、同年8月第六刷発行、

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著者の細野氏は、経済のニュースをわかりやすく解説した「細野経済シリーズ」で有名な人です。しかし細野氏は、経済の専門家というわけではありません。では、なぜ細野氏が経済のニュースを分かりやすく説明できるかというと、それは、「数学的思考力」のおかげです。この本は、この「数学的思考力」を駆使して細野氏が、さまざまな事象を解説します。

 

〇 数学的思考力って何?

 

数学と聞くと数式をイメージしてしまいますが、もちろん、そうではありません。言い換えれば、論理的思考力です。これもまだ難しい。さらに言い換えると、物事の原因と結果を正確に把握する能力となります。

しかし、こう言い換えると、とっても理屈っぽい話しに聞こえます。原因と結果の関係の話をするときに、理屈を抜きに話すことはできないのですが、しかし、理屈ばかりではありません。細野氏は、「直感」をとても重視しています。「直感」とは「ひらめき」、「予感」ともいえますが、こういう話しになると、急に身近さを感じます。細野氏は、「直感」から「仮説」を立てそれが本当に正しいのかどうかを論理的思考により「検証」する、という流れを提唱しています。

 

「直感なんて正しいことあるのか?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、これ、意外と当たるようです。この点についてこんな本があります。

 

mogumogupakupaku1111.hatenablog.com

 

この本によると、人間は、無意識のうちに入ってくる情報をカットするなどしており、自分が意識する情報は一部の情報にすぎないのですが一方で人間は、無意識のうちに、カットした情報を含め膨大な情報を処理し、それに基づき判断をします。これを「直感」と言うそうです。自分の「直感」を信じてよいことがあるようです。

 

〇数学的思考力は、誰でも身に付けることができる

 

「数学的思考力=論理的思考力+直感」

 

ではありますが、この能力、誰でも身に付けることはできるのかということが、次の問題です。

結論から先に言ってしまうと、細野氏によると、ふつうに努力すれば身に付けることができる能力だそうです。「ふつう」というのは、なにかすごい難しいことが求められているということではないという意味でして、何もしなくても身に付くものではありません。具体的に何をすれば良いのかということは、この本を読んでいただくとして、それとは別に、数学的思考力を身に付ける上での大敵があります。

 

それは、「見栄」とか「メンツ」です。自分が分からないことを分からないと正確に自分で把握できるかということとも言えます。むかしソクラテスは「無知の知」と言いましたが、この精神を持つことが数学的思考力を身に付ける上で不可欠です。誰もが数学的思考力を身に付けられるとは限りませんが、その機会は誰にでもあるということは明らかです。

 

〇数学的思考力を身に付けると何か良いことがあるのか?

 

この本によると、数学的思考力が身に付いている人は、世の中の動きの原因と結果を知ることができます。

 

たとえば、リーマンショックサブプライムローンが原因となりました。当時、世界の名だたる金融機関が「サブプライムローン」を含む金融商品を優良商品としてどんどん購入したため、これが原因でリーマンショックは起こりました。

このとき数学的思考力のある人は、「サブプライム」つまり「プライム」ではない「ローン」がどうして優良商品なのかと直感で疑問に感じることができます。そうすれば、リーマンショックに巻き込まれることを避けることができたでしょう。

 

そして、年金問題もそのひとつです。年金は危ないと報道で言われ、いまや年金は危ないというのはほぼ常識になっていますが、その常識を疑うことができる人は、数学的思考力を持つ人です。細野氏は、年金問題を勉強するうちに、「年金は本当に危ないのか?」という疑問に達し、この本を書きました。そして、そこからさらに進んで、「なぜ危なくない年金をことさらに危ないと言う人がいるのか」ということも説明しています。細野氏の言うことは、マスコミとかではほとんど報道されていないことばかりで、わたしもこの本を読んで初めて知ったことばかりでした。

 

わたしは今回この本を読んで、数学的思考力の威力をまざまざと感じました。なぜかと言いますと、この年金の話し、サブプライムローンの話しから言えるのは、数学的思考力を身に付ければ、わが身を守ることができます。

たとえば、怪しげな金融商品を銀行から勧められても買わずにすみます。金融商品はうかつに手を出すと人生を大きく左右しかねません。

さいきんはスルガ銀行のアパートローンが大問題となっています。スルガ銀行に進められてふつうのサラリーマンがスルガ銀行から借金をして賃貸アパートを建てたものの、入居者が想定を下回り、スルガ銀行に借金を返すことができず、さいごには、賃貸アパートは抵当にかけられ、サラリーマンは破産してしまいます。そしてスルガ銀行は、「自己責任」の名の下、破産しても知らんぷりです。よく考えてみれば、日本は少子高齢化、アパート市場は供給過剰、このご時世に借金して賃貸アパートを建てるなんてとんでもない話です。もし数学的思考力があれば、スルガ銀行の甘言にだまされないことはなかったでしょう。こういった大きなリスクから、数学的思考力はわが身を守ってくれます。

 

さらに、自分が思っていることが、世間一般で言われている常識とは真逆の内容であっても、自分が信じる道を迷わず(すこしは迷いながらかもしれないが)突き進むことができます。常識にとらわれなければ、大成功することも可能です。島田紳助氏が同じことを本で書いていました。島田氏はサイドビジネスとしてさまざまな飲食業をし、26年間失敗なしという人です。

 

mogumogupakupaku1111.hatenablog.com

 

数学的思考力は「人生で後悔しないために身に着けるべき能力」のひとつと言えます。

人間関係で悩んでいる方にぜひ見ていただきたい。気持が楽になります。

葵徳川三代(NHK大河ドラマ、2000年放送)

 

豊臣秀吉死去から江戸幕府成立にいたる徳川家康、秀忠、家光の徳川三代の歴史を描いた大河ドラマです。徳川三代はもちろん、徳川家譜代家臣、豊臣家、豊家恩顧の諸将、それを取り巻く女性が織り成すさまざまな人間模様が丁寧に描かれています。

 

〇豪華俳優陣の登場。これぞまさに名優。百聞は一見にしかず

 

「名優とは何をもって言うのか?」と聞かれて、その道の勉強を専門的にしたこがある人ならともかく、いっぱんの人が回答することは難しいでしょう。また、自分の考えを述べたとしても、それが周りの人の賛成を得られるとは限りません。つまり、名優の定義は、回答する人の数だけあるということです。

 

しかし、「葵徳川三代」は違います。これを見れば、100人中100人が「名演技である」と言うと思います。まさに「百聞は一見にしかず」ということわざは、このドラマにためにあります。それもそのはず。登場する俳優を少しだけ紹介します。

 

徳川家康役:津川雅彦

徳川秀忠役:西田敏行

お江(秀忠正室)役:岩下志麻

石田光成役:江守徹

春日局役:樹木希林

 

登場する多くの俳優のうちから一部を紹介しただけでも、これだけの名優がそろっています。なんとも豪華です。既に亡くなった人もいます。これだけの豪華俳優陣の競演はいまでは見られないのではないでしょうか。

西田敏行氏はこのドラマでは、家康の子である秀忠として、家康には時には叱られ、一方で恐妻家のため、正室のお江にはまったく頭があがらないという、なんとも武将として頼りない役を演じています。わたしは、西田氏の「アウトレイジビヨンド」のでの強面ぶりがとても印象に残っていますが、同じ人なのにここまで全く違う役を演じ、かつ、どちらの役も、まさに西田氏が演じるためにあるかのような見事なはまりっぷりで、俳優という職業の奥深さを感じました。

 

〇迫力の戦闘シーン。本では絶対分からない臨場感

 

このドラマの見所の一つは、なんといっても、天下分け目の合戦「関が原の戦い」でしょう。東軍、西軍あわせて、20万人に近い大軍が、天下を競って闘う、日本の歴史においてもそうそうない巨大なスケールの戦です。

 

この見所の特徴のひとつは、詳細な戦闘シーンの描写です。鉄砲隊の発砲、騎馬隊の突入、名のある武士同士の一騎打ちの戦いなどなど、よくぞここまでと言うまでの戦闘シーンの連続です。実際の戦はこのように行われていたのだと実感できます。とくに歴史の本を読んで戦闘シーンを理解していた人には、特におすすめです。これも「百聞は一見にしかず」です。

 

わたしが特に印象に残ったのは、関が原の合戦当日の東軍の先陣争いです。東軍先陣は福島正則ですが、家康は四男松平忠吉に先陣をきるようひそかに命じます。しかし「言うは易し行うは難し」とはこのこと。先陣を他の武将に譲る武将はいるはずもなく、ましてや福島正則が相手ではなおさら無理というもの。そこで、忠吉の舅である井伊直政が一計を案じ、見事に忠吉は先陣をきることに成功します。わたしはこの経緯を本では何度も読んでおり知っていますが、映像で見たのは初めてですし、どうやって先陣を忠吉がきることができたのか、よーくわかりました。

 

〇人間関係はよくわからない。でも何とかなる

 

 

関が原の戦いでは、西軍つまり石田三成は豊臣家のために徳川家康と討つと宣言します。そして、この石田三成の宣言の正しさは、後の歴史が証明しています。しかし、それにもかかわらず、なぜ、西軍につくべきと思われる武将が東軍についてしまったのでしょうか?

 

豊家恩顧の諸将、福島正則黒田長政藤堂高虎細川忠興池田輝政浅野幸長などは、さいしょから東軍につきましたし、小早川秀秋などはさいしょは西軍につきますが、戦の途中で東軍に寝返ります。

これを、徳川家康の謀略のためであると結論付けることは間違いではありませんが、それだけとはとうてい思えません。また、戦国武将特有の考え、気性もあり、現代のわたしたちにはちょっと理解しがたいところもないわけではありません。

ひとつ言えるのは、理屈・正義は石田三成にあったが、しかし人々は理屈・正義のとおりには動かなかったということです。そして、石田三成の理屈・正義を否定して東軍についたのならわかりやすいのですが、実際はそうではありません。とくに、豊家恩顧の諸将は豊臣家のために働く意思は十分にあり、その意味で、石田三成の理屈・正義には賛同するはずですが、行動はそうなっていません。

じっさい上杉景勝はドラマの中でこう言っています。

 

正義が勝ち負けを決めるのではない、勝ち負けが正義を決めるのだ 

 

一方、徳川家康はドラマの中で秀忠にこう言っています。

 

桶狭間の合戦で今川義元が敗れ、わしが人質の身を解かれたとき、三河再興を目指し相呼応して戻ってきた将兵はみな、いったんわしを見限った家臣だった。わかるか、時には味方が敵になり、敵が味方となる。これが戦国の習いと心得よ。こたびは、敵の敵を味方とする。

 

わたしはこの徳川家康の言葉を聞いて、「人間心理は変わり得るもの。いまは難しくてもいずれは理解できる時もくることがある」と思いました。いま何を考えているかわからず苦手な人がいても、それほど気にすることはないということです。ぜったいの敵もいないしぜったいの味方もいない、いままわりに苦手な人がいてもずっと苦手ということはないということです。そう考えると、少し気が楽になります。

 

大河ドラマはいわば時代劇の一種。さいきん時代劇は元気がありませんが、それはワンパターンの内容だからです。この大河ドラマはまったく違います。しかも、とても見る人の身になります。さすがNHKという感じです。