日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

なにかで悩んだりしている方が、その悩みをすっきり解消するために読んで頂きたい本

鈍感力(著者:渡辺淳一)、集英社e文庫、2017年9月発行、

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電子書籍なので発行が最近の日付になっていますが、いまから8年前に出版され、当時とても話題になったあの「鈍感力」と同じ本です。「鈍感力」という言葉は当時の流行語大賞にノミネートされました。

 

わたしの記憶によれば、「鈍感力」という言葉はこの本が出るまでに日本語としてはなかったと思います。もちろん「鈍感」という言葉は以前からありましたが、「鈍感」とは、感じ方がにぶい、気が利かないという意味として使われ、むしろ改めるべきことでした。それを、ひとつの能力という意味で表現する「鈍感力」という言葉がなかったのはとうぜんのことです。しかし、この本をきっかけに「鈍感力」という言葉が生まれ、さらにそれがプラスの意味で使われるようになりました。

 

では、「鈍感力」とは、にぶい能力、気が利かない能力という意味かというと、もちろん、著者の渡辺氏はそういう意味では使っていません。しかし、この言葉をそういう意味合いで使うケースがあったのは事実です。

 

たとえば、政界などで問題を起こしながら平然としている政治家に対して、「鈍感力のある政治家」などと表現している記事を見かけることもあった。わたしはこうした記事を書いた新聞記者に、『鈍感力』をきちんと読むように、と注意したことがあるが、この使いかたは明らかに間違っている。いうまでもなく、こうした無神経で鈍感な男は、単なる鈍感でしかない(「文庫発刊にあたって」)

 

渡辺氏はこのようにこの本の中で述べ、正しく理解されていないことに困惑しています。じつはわたしも、この本を読むまでは、「鈍感力」という言葉の意味を、この新聞記者と同じような感じで理解していました。なので、ある意味、「鈍感」という従来は良くないこととされていた行いを正当化する、ある意味開き直りの本がこの本かなあと思っていました。

 

しかし、こんかい読んでみて、よーくわかりました。まったくそういう意味ではありませんでした。わたしなりにあえてまとめてみると、図太く生きる能力、些事にこだわらない能力、何事も(例外あり)まあいいかと思える能力という感じです。

 

とかく現代は、どうみても過剰に気を使うことが多いです。たとえば、サービス業で接客している人に対する客からの過剰な要求やクレームなんていうのは、その典型でしょう。そういったことでふだん困っているサービス業で働く方には、ぜひこの本を読んでいただき、無駄に気を使って傷ついたり、あるいは、悩みすぎて健康を害したりといったことがないようにしてもらえたらいいのではと思います。

 

「鈍感力」の適用範囲はとても広いです。仕事で付き合いのある取引先の人との関係、職場での上司、同僚、部下との関係、さらには、友人関係、男女関係、夫婦関係、親子関係と幅広いです。あらゆる人間関係において、自分や周りの人それぞれが自分らしく生きていくために、鈍感力は必須の能力でしょう。

 

また、鈍感力は人間関係だけではありません。文字通り、感覚の鈍さにも関係します。人間には五感、つまり視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚があります。この本は、こういった感覚も鋭すぎるのは考えものであるとしています。鋭すぎるといろいろ気になってしまって、鈍感力を発揮できなくなってしまいます。意外な話しです。ふつうはこういった感覚が人より鋭いことはプラス評価の理由になると思いますが、必ずしもそうではないようです。もちろん仕事上、特殊な感覚が必要という場合は別ですが。

 

いちどきりの人生、楽しく生きなければ損です。誰もが分かっていることですが、人生にはいろいろあって、悩み苦しみといったことからは避けられません。そういったこととうまく付き合いつつ人生を楽しむ上で、「鈍感力」は大事な能力でしょう。

 

8年前にとても人気だった本を、その存在を知りながら、やっといまにして読んだ私は、ほんとうに「鈍感」なのでしょう(笑)「鈍感力」はまだ身についていないようです。