震度6の地震で交通機関がかんぜんに麻痺してしまった世界を経験しました。2018年6月18日(月)・大阪市
2018年6月18日(月)午前7:58頃、大阪府北部で震度6弱の地震が発生しました。
なぜわたしが、このブログで地震の話をするかというと、わたしはその日仕事で大阪にいました。大阪で朝早い時間に約束をしていたため、前日の日曜に大阪市内のホテルに宿泊していて、地震が発生したその時、わたしはホテルを出て梅田駅に向かって歩いていました。
〇 地震が発生した瞬間
ちょうど近くにビルの建築現場があり、むき出しの太い鉄骨が組まれ上にはクレーンが設置されていました。そこからとつぜん、鉄骨が揺らぐ「ゴワーン、ゴワーン」という大きな音がし、続いて、「ガラガラ」というような鉄骨が崩れていくような音がします。現場をみると、鉄骨がゆらゆら揺れているようにも見えます。
わたしはてっきり、ビル建築現場で何か事故が起こったのかと思ってしまったのですが、すぐに、自分の身体が揺れていることに気づきます。鉄骨が崩れた振動かとさいしょおもったのですが、すぐに勘違いに気づきます。
なぜなら、下から突き上げられるように身体全体が上にジャンプしてしまったからです。これにはびっくり。そして、スマホから、「ウィーン、ウィーン」というエリアメールの音が。これでやっと地震が起こったということがわかります。
人間、とっさの予想外の事態が起こると、まったく判断能力を失ってしまう、という好例です。
〇 地震が発生した後も梅田駅を目指す
地震があったわけですが、ああなんか揺れたなあという感じで、そのまま梅田駅向かって歩き出します。ところが、ちょっとして異変に気づきます。
バスがやってくるのですが、バスが満員なのです。来るバス来るバスみんな。変だなあ、なんでバスなんか乗るんだろうと思っていますが、まだ気づきません。後から振り返ると、「このあたりでいいかげん事態の深刻さに気付け!」と言いたくなる自分の鈍感さにあきれます。
だんだん梅田駅に近づくにずれ、なぜか歩道を歩いている人がやたら多い。すれ違うときちょっと歩きづらい。梅田駅が近づくにつれ、ますます人は増えていきます。歩いている人だけでなく、立ち止まっている人もいっぱい。コンビニの制服を着た人数人が、仕事中のはずなのに歩道で立ち止まっています。これで、やっと気づきます。
「そっか、地下鉄が止まったんだ」と。これで、こんかいの地震がそうとうなものであることに気づきます。
〇 梅田駅にやっと到着
予定の時間より遅れて梅田駅にやっと着きます。さすがにどんかんなわたしももう気付いています。自分が乗る予定の電車はきっと動いていないだろうと。
改札に行ってみたら予想通り、「全線運転見合わせ。復旧までにはそうとうな時間がかかる見込み」とのアナウンスが連呼されています。
7時59分発の電車が一番上に表示されたまま、ずっとそのままです。
〇 どこに移動するもとにかく歩く
なんとか梅田駅に着きますが、こんな状態ではとても仕事どころではない。わたしもつらいし、先方もそれは同じ。とうぜん、この日の予定はすべてキャンセルということになります。キャンセルの理由で先方が言っていた理由で意外だったのが、「エレベーターが止まってしまったので」というもの。こういうことです。
階段で10階、20階まで上るのはとても無理。こうしてみると、エレベーターも立派な交通機関です。
予定していた仕事がなくやることがないので、地下のホワイティに行ってみると、なんと地下鉄梅田駅が封鎖されています。
こんなことあるんですね。というか、シャッターあったんだーと、ちょっと的を外した驚きをしています。
このように地下鉄は全線運転見合わせ。なので、どこに行くにも歩くしかない。もちろん、バス、タクシーというのもいちおうあるけど、バスは満員、タクシーはぜんぜん空車が来ないという感じです。けっきょく、四ツ橋筋経由で、梅田から本町までひたすら歩く羽目に。
「地震のときに何のんきなこと言ってるの?」とお叱りをうけるかもしれませんが、歩いてみて、あらためて大阪は、街中を川がゆったり流れていて、とっても気持の良い街だなあと感じました。
〇 東海道新幹線が驚きの運転再開
そうすると、こんどは、東海道新幹線は止まったままということで、次は、今日のうちに東京に帰れるのかという心配が出てきます。仕事もなく、新幹線も乗れないので、しょうがなく、本を読んだりして適当に時間を潰していると、午後1時ころに運転再開との情報が入ってきます。
これはびっくり。この時点で、JR西日本の在来線はまったく運転再開していません。なのに新幹線が一番早く再開するとは。
御堂筋線もJRも使えませんが、そこは何とか車で新大阪駅に行きます。
新大阪駅についてみると、予想通り、人人人。改札前、みどりの窓口、行列が出来ていて、乗客も駅員もそうとうあせっているのがよくわかります。
「この分だと、ホームは相当ひどいことになっているに違いない。大行列だろう。相当待たないと電車に乗れないだろう」と思い、覚悟しながら新幹線ホームに行きます。
ほとんど人がいない。あれっ?
みんなどこ行ったの?という感じです。地震があったのが嘘のようですが、もちろんそんなことはありません。
ダイヤは大幅に乱れています。写真からはわかりにくいですが、売店も閉まっていました。いつもの新大阪駅ではあり得ない光景です。
どの電車が何時に何番線から発車するのかまったく情報がなく、おそらく駅員もよく分かっていないと思います。とにかく発車できる列車はどんどん発車させるという感じなのでしょう。わたしが持っていた特急券で指定された列車と、わたしが実際に乗った列車はぜんぜん違っていました。指定席なのに自分で座る席を選べるという、なんか不思議な体験。
車内はガラガラです。
新大阪を出たときだけでなく、東京に着くまでずーっとこのガラガラ状態は変わらず。なんか不思議な感じです。でも、新幹線は大幅に遅れています。これが現実。
約2時間遅れています。
でも、こんかいの地震への対応をみて、あらためて新幹線の技術力とか、駅員の対応能力、いわば危機管理能力の高さには感心しました。震度6の地震があり全線運転見合わせになったにもかかわらず、たった5時間で運転再開させるというのは、とてもすごいことだと思います。おそらく海外ではこんなに早い対応はできないでしょう。日頃の教育、訓練の賜物としか言いようがありません。