日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

40歳をすぎても会社の評価が気になる人に読んで頂きたい本

出世する人は人事評価を気にしない(著者:平康慶浩)、日経プレミアシリーズ、2014年10月1刷、2014年10月3刷、

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「出世」といえば、会社内で係長→課長→部長→取締役→社長、といった形で、上のポストに異動していき、それに伴い、給料などの待遇も上昇していくことを指します。そしてこの本は、「出世」するにはどうしたらよいか、ということを述べている本です。そう聞くと、会社というある意味「オワコン」の話をしているかのようにも見えます。

 

「出世」は会社内で昇進するだことだけではない

 

でもそうでもないんですね。「出世」というもにに、社内での昇進だけでなく、転職も入るし、退職後にビジネスを離れて大学で教える、地域活動をする、といったような会社以外での活動も含めています。こういう広い「出世」であれば、決して「オワコン」の話しということにはなりません。

 

労働市場で価値ある人材になる

 

著者の平康氏がこの本で述べている「出世」するための条件です。とってもシンプルで分かりやすい。

「評価」という言葉は、どうしても上の者が下の者を評価するというニュアンスを含みます。会社が社員を評価するということは、社員が会社に従属しているということを前提としています。

しかし、契約的に考えてみると、そもそも本当はそうではないんですね。会社と社員は労働契約を締結し、社員は会社に対して労働というサービスを提供する、それに対して会社は社員に対して給料を支払う、という、労働と給料の交換という取引をしている関係にあり、この取引関係は、従属という話しではなく、対等の関係を意味します。よく言われる言い方ですと、「会社に頼らない」、「会社に依存しない」というのと同じです。

そして、こう考えると、「評価」といういま働いている会社の「評価」のみを気にする必要はないということになりますし、とうぜん「出世」も、社内での昇進のみを意味するわけではないことになります。平康氏の話しはスッと理解できます。

 

出世する人は仕事と生活を区別しない

 

仕事と生活を区別しないなんて言うと、会社べったり、いわゆる社畜みたいなイメージです。会社に頼らない、依存しない話しはどうなったのか?という感じがします。しかし、よく考えてみると、社畜という意味ではないけど、区別しないというのは確かにそう。

そもそも、「出世」が社内だけでなく社外も含むということは、言い換えると、人生ずっと「出世」の問題と付き合っていくことになります。そして、仕事も生活もどっちも人生の一部なのですから、仕事と生活を区別する意味はないです。

仕事と生活を区別するということは、生活を重視し仕事を重視しないということと裏表です。でも、どちらも自分の人生における時間を使っています。しかも、会社勤めをしていれば、ふつうは、平日の少なくとも3分の1は仕事しています。この長い時間を費やす仕事を重視しないということは、自分の人生の3分の1を無駄にしているということになります。

仕事を重視しないというのは、仕事をいくらがんばっても(給料以上に働いても)会社の利益になるばかりで自分には何もない、というのが理由としてあります。しかし、もう一歩考えてみると、本当にそうでしょうか?「出世」が労働市場での価値を高めるということであれば、仕事を通じて知識や経験が得られることは、労働市場での価値という形で自分に利益が還元されます。その意味でも、区別する必要はないです。

 

駒と横に並びたいとは思わない

 

さいごに社内での「出世」の話し。この本に出てくる金剛課長は35歳過ぎの課長。とても優秀。しかし、部長への昇進は同期に先を越されそう。なぜ自分が昇進できないのかと悩む金剛課長に言われたのが、この言葉。

金剛課長は、会社(上層部)からみると、何でも言うことを聞くし、何でもやってくれる、会社の評価をとても気にする。しかし、所詮は「駒」。上層部からすると、「駒」に乗ることはあっても、自分と同列にしようとは思わない。つまり、出世させようとは思わない、という意味です。

社内という労働市場の場合、価値ある人材になれと言われると、どうしても、会社の求めることは何でもこなすことと思えますが、現実はそう簡単ではないようです。課長まではそれで良いけど、そこから先は、課長までのやり方では通用しない、会社の評価を気にしているようではダメともいえます。金剛課長のように35歳を過ぎてしますと、労働市場での評価には厳しいところがありますが、一方でこの言葉には、会社という組織の持つ厳しさ、冷たさがよーく現われていて、会社にただしがみつけば良いというものではないことが分かります。

 

タイトルからすると、会社での「出世」の話をしている本に見えますが、じっさいにこの本がカバーする範囲は相当広いです。人生で成功する、つまり「出世」するにはどうすれば良いか、という本です。わたしもそのひとりですが、人生の折り返し地点である40歳を越えた人はとくに読んでみるべきです。