日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

文系の学部を卒業した人、怒ってはいけません。むしろ、そんな人の為になる本です。

「文系バカ」が、日本をダメにする なれど“数学バカ”が国難を救うか(著者:高橋洋一)、WAC BUNKO、2018年5月初版発行、同年6月第2刷、

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著者の高橋氏は元大蔵省(現在の財務省)のキャリア官僚。大蔵省のキャリア官僚といえば、東大法学部卒という文系出身者が多数を占める組織ですが、高橋氏は、東大理学部数学科卒という異色の経歴です。

ちなみにわたしは、高校では文系コースを選択し、大学は経済学部なので、わたしも「文系バカ」のひとりです。

 

〇 高橋氏の言うことは良く分かる。高橋氏のほかの本も読んでみたくなる

 

この本を読んでいちばん強く感じるのは、高橋氏はほんとうに頭がいいんだなあということです。取り上げている内容は経済の話が多いですが、そのほか、教育、AIなど他の分野にも及んでいて、かなり難しいことを取り上げているところもありますが、すっと理解できてしまう、難しいことを難しいと感じないまま理解させてくれます。これは驚きです。たとえば、こんなことを言っています。

 

「日銀の仕事はAI化できますか」と聞かれることがあるが、もちろんできる。総裁以下、委員はロボットでもいいかもしれない(笑)。AI化できないと思っている人は、日銀の仕事の中身をわかっていない人だ。仕事内容がわからなければ、プログラム化はできない 

 

高橋氏はおそらく、本気で日銀の仕事をAI化すべきと言っているわけではないと思います。

AI化するかどうかの話しは置いておいて、この発言のすごいところは、高橋氏が、日銀の仕事をプログラム化できるぐらいシンプルに理解しているということです。そうでなければ、この発言はできません。じっさい、この記述に続いて、日銀の仕事は何かということを極めて簡単、簡潔に定義しています。

 

この本では高橋氏が書いているほかの本も紹介されています。高橋氏は経済政策の専門家かと思いきや、なんと、安全保障の本まで書いています。安全保障の専門家が書いている本よりも、はるかに分かりやすく説明してくれているような気がします。こんどかならず読んでみます。読んでみて、これも分かりやすかったら、ここで紹介します。

 

〇不幸にして「文系バカ」の自分はどうすればいいのか?

 

高橋氏が頭がいいのは分かりました。そうすると、高橋氏が「文系バカ」と主張するのも理由があるということになり、「文系バカ」は役立たず扱いされる日も近いことになります。では、わたしのような「文系バカ」はこれからどうすればいいのか、ということがとっても重要になります。

 

時間がある人は、いまから勉強をしなおして、高橋氏のように数学科に進学して、「専門バカ」になればよいでしょう(笑)。しかし、それは誰もができることではない。数学科進学は極端としても、今からでも多少は理系的勉強をすることを高橋氏は勧めています。

 

わたしがこの本を読んだ感想としては、理系的勉強以外にも、高橋氏は「文系バカ」がすべきことを2つ提案しています。これはわたしはまず間違いないと思いますが、2つとも、それを実際にすること自体は難しくない。もしそれが実際できないとしたら、その人は「プライド」が高いのだとわたしは思います。「プライド」さえ捨てれば、「文系バカ」もこれからなんと名借ります。

 

 

〇 理系と文系の区別ってそもそも何なのか?

 

おそらく今もそうだと思いますが、文系、理系という区別に初めて出会うのは、高校生のときではないでしょうか?英語はどちらも共通で、文系を選ぶと、英語に加えて、国語、歴史、地理といった科目の勉強がメインになり、理系を選ぶと、英語に加えて、物理、化学、数学といった科目の勉強がメインになるという感じだと思います。

 

しかし、わたしもそうですが、別に「文系バカ」になりたいから高校生の時に文系を選んだわけではない。わたしが通っていた高校では当時、文系の方が圧倒的に生徒に人気があって、理系科目の先生が必至に理系の良さを生徒にアピールしていました。いま思えば、その先生の言うとおりにしておけばよかったと後悔します(笑)。

 

何が言いたいかというと、「そもそも、文系、理系なんていう区別は本当に必要なのか?」ということです。文系か理系を高校生に選ばせ、その結果、文系を選んだ生徒は数学をちゃんと勉強する機会を失ってしまい、それゆえその生徒が「文系バカ」になってしまうのであれば、こんな文系、理系という区別は生徒の役に立っていません。わたしの記憶では、もっぱら、大学受験の受験科目が文系学部か理系学部かでぜんぜん違うので、受験勉強を効率的にするために、当時、文系、理系で分けていたと思います。

 

 

いまは少子化のため、受験戦争なんて完全に過去の遺物になりましたし、それに、昔みたいに有名大学に入れば人生安泰なんて時代ではないんですから、受験のための勉強にエネルギーを注ぐのは無駄。むしろ、社会に出て生き抜く能力を身に着けるのが大事。ぜひとも「文系バカ」を生み出さないためにも、文系、理系なんて区別は廃止して、幅広くいろんな科目を勉強できるようにして欲しいと思います。