デブにはきびしい現実、今の世の中を生きていくためにぜひとも読んで実行すべき本
いつまでもデブと思うなよ(著者:岡田斗司夫)、新潮新書、2007年8月発行、
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著者の岡田氏は、1年間のダイエットで体重を117キロから67キロ、つまり、1年間で50キロ体重を減らしたことになります。この本は、岡田氏のダイエット体験をベースに、成功するダイエット方法について教えてくれます。
デブの方が得する職業など、ほとんどない。唯一、グルメレポーターくらいだ(中略)それ以外のあらゆる職業で、デブは損をする。「幸せそうで悩みもなさそう」という印象から、知的な職業には向かない。論理的に話しても、論理的だと感じてもらえない。知識を披露しても、知的だと見てもらえない。営業や接客にも不向きだ。暑苦しくて、さわやかさがない。どんなに企画力や臨機応変の決断力があろうと、デブというだけでプラスのイメージが阻害されてしまう。私のように極端なデブではなくでも、中年太りで腹回りがせりだしてきた程度の中年男性でも同じだ。どんなデブでも、デブの分だけ損をする(50ページ)
ようは見た目が重要ということです。見た目より中身の方が大事という考え方もありますし、そういう考え方をとる人もいないことはないと思いますが、多数派は見た目を重視すると思います。まあ、本人が自分は中身重視派と思っていても、そんなことは不可能で、無意識のうち見た目を重視しているという説もあるぐらいです。
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デブで何が悪い?と言われると、「悪い」ことはないが、すごい「損をしている」ということだと思います。
ダイエットに関して、最も間違った考え方は、「ダイエットは辛い」というイメージだ(中略)何もかもガマンしないとやせられない?それは、ウソだ(中略)世に流通するダイエット法の大半は、実は「もともとスリムな人が、そのスリムさを維持するために行っているダイエット法」である。夕食をサラダだけにする。一日一時間、有酸素運動をする。そんなことが続けられるなら、はじめから太ったりするはずがない!(中略)すでにスリムな人が体型を維持する方法と、私たちが求めている10キロ、20キロ、30キロやせるためのダイエット法とは、根本的に違うのだ(11~12ページ)
ダイエットしたいけど自信がないと思っている人にとって、とても勇気づけられる話です。一般的なダイエット法に向いていない人がいる、ということは、そういうダイエット法を推奨する人が教えてくれるはずがありません。
わからないときは、詳細なデータを集めるに限る。会社の経営が苦しいときも、まずやるべきことは、お金の出入りの把握だ。自信満々で発売した商品の売れ行きがイマイチだったときも「発売から週何個ずつ売れたのか」「どんな店で何個ずつ売れているのか」という、売れ筋の把握が第一歩だ。対策をすぐに考えたり、理由を安易に想像したりするべきではない(83ページ)
ダイエットの第一歩は「メモをつける」ことからという岡田氏の主張の理由です。これを見ると、ダイエットもそうですし、会社経営もそうですし、ここで岡田氏が述べていることはあらゆることに共通する法則のように思えます。
おわかりだろうか?並外れて太るのは、「並外れて太る行動」をとり続けた結果なのだ。たえまなく太る努力をし続けなければ、そんなに太り続けることなどできない。並外れて太っていた私は、当然、「並外れて太る行動」をとり続けていたのだ。けれどかつての私は、そこにまったく気づいていなかった。自分が太っているのは、太っていない人に比べて、何か別に原因があると思っていた。
「自分は他の人より太りやすい体質なんだ。体質なんだから変えようがない。」(以下略)(93ページ)
自分が食べたもの飲んだものを記録することが、「並外れて太る行動」を明確にしてくれます。これをしないと、たしかに、ぜんぜん関係ないことを理由としてしまう、というか言い訳ばかり考えてしまい、けっきょくダイエットのために何もしないというパターンに陥りそうです。
コンビニの商品でもカロリー数が載っていない商品がある。知ってる人は知ってるけど、そういうのはたいていメーカー側が消費者に「あんまり教えたくない数値」の商品だ。たとえば総菜パンや菓子パン。あるメーカーのちょっと大振りな「マーガリン入りアップルパイ」なんか、なんと一個あたり1380kcal!これだけで成人女性の一日分の摂取カロリー数を満たしてしまう。たかが菓子パン一個で、だ。しかしこのメーカー、いつにまにかパッケージをリニューアルして商品の裏を見てもカロリーが載らなくなった。アレルギー成分表などは載せているにもかかわらず、だ(113ページ)
ちゃんと記録をとると、面白いことも見えてきます。こんご私は、カロリー数が載っていない加工食品はきょくりょく買わないようにしようと思います。
私はポテトチップスが食べたくなったら遠慮なんかしない。カロリーなど気にせず、できるだけ美味しそうなポテチを買ってくる。で、その中から最高に形も色も良くて、大きくてパリパリで分厚くて、塩がたっぷりついているのを五枚、選ぶ。時間をかけ、悩みに悩んで、最高の五枚を選ぶわけだ。選んだら、残りを台所に持って行って、流しでジャー!と水道水をかけてしまう(中略)実はポテトチップスって、最初の数枚は本当においしいんだけど、大袋の最後の方は惰性で食べ続けているだけなんじゃないのか?おいしくて食べるのはいいけど、惰性はいけない。「クセで食べて太るだけ」なんてまっぴらだ。なにより、「もう美味しくないのに延々ポテチを食べ続けたら、その分食べられるカロリーを無駄遣いしてもったいない」ではないか!(127~128ページ)
私もポテトチップスが大好きなので、岡田氏のこの行動、かんたんにできることではないということが、すごいよく分かります。でも、「惰性」で食べ続けているというのは当たってます。私の場合、アルコールを飲みながらポテトチップスを食べることが多いので、なおさら「惰性」になっている可能性が高いです。明日からさっそく実行です。
「一日あたり」1500kcalというのを見直してみよう(中略)だから毎日1500kcal=3日で4500kcalという意味に受け取っても、まったく問題は無い(129ページ)
最長一週間以内で、なんとかツジツマを合わせられたら充分。そう考えると、目の前が明るくなる。「1日1500kcal」というルールを絶対に守るのではなく、「平均1日1500kcal」をいかに実現するかと考えると、選択の幅がぐっと広がる(131ページ)
先ほどのポテトチップスの話はかなり強い意思が必要に感じますが、この話は、逆に、肩の力を抜いて楽にダイエットできる話です。
ダイエットしたいけど自信がない人、あるいはこれまでダイエットしたけど失敗つづきな人にとって、バイブルみたいな本です。これまであきらめてしまっていた人も、もういちどこの本を信じてやってみる価値ありです。ダイエットは楽しいし、成功すれば、さらに楽しいですから。