日々読書、時々一杯、折々投資

私の趣味をそのままタイトルにしました。 趣味のことでこれいいなあと思ったことを書いていきます。それが少しでもみなさまの参考になればさいわいです。

今まで失敗続きだけど今度こそプレゼンや説明がうまくなりたい人に読んで頂きたい本

「すごい説明力」著者:木暮太一、WAVEポケット・シリーズ、2017年2月第1版第1刷発行、

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この本に記載の経歴によると、著者の木暮氏は、「大学在学中に自費制作した「気軽にはじめる経済学シリーズT.K論」が大学生協や一般書店で累計5万部を突破」とあり、驚きです。まさに「すごい説明力」の持ち主と言えるでしょう。

 

「伝える」とは、どういうことでしょうか?相手の人が、皆さんの話を「わかる」ということです。いくらこちらが「伝えた」と思っていても、相手が「わかって」いなければ、それは「伝えた」ことにはなりません。では、「わかる」とはどういうことなのでしょうか?私は、次の3つの条件をすべて満たしたとき、はじめて人は「わかった」「理解した」ことになると考えています。

①把握:相手が言っていることを把握する

②納得:相手が言っていることを納得する

③再現:自分ひとりで思い出して、「こういうことだった」と再現する

この3つです(14~15ページ)

ちょっと意表をつかれる質問です。たしかに「伝える」と「わかる」が違うからこそ、あれだけ言ったのに分かってくれない、ということが起こるのでしょう。3つの段階で説明されると、かなり大きな違いがあることがわかります。

 

その「やり方」は、次の4つのステップからなります。

ステップ1 「誰に」「何を」伝えるかを明確にする

ステップ2 相手に伝わる日本語を使う

ステップ3 話を正しい順序で組み立てる

ステップ4 相手に伝わる言葉に言い換える

この4つのステップを踏めば、皆さんの話はわかりやすくなります。どんなことでも、わかりやすく伝えることができます(21ページ)

 「分かりやすく伝える」ということが大事ということは、誰もがそう思うことですが、では、具体的にどうすればいいのか?と聞かれると、そこまでふだん意識することは、あまりありません。木暮氏はそこを具体的に説明してくれています。「ステップを踏」むという表現からすると、1から4の順番に実行していくというのが木暮氏の主張と思われます。木暮氏に対して大変失礼ですが、わたしの場合はちょっと違います。最初はステップ1、次はステップ3、最後はステップ2と4を同時という感じです。

 

話を始めるときには、「何を」伝えるのかを明確にしておかなければなりません。ここで注意が必要です。この「何を」とは、「〇〇について」(話のテーマ)という意味ではありません(中略)この「何を」とは「結論」のことです(31ページ)

「相手が結論を理解・納得するのに必要な情報だけを伝える」ということです。「結論に無関係な情報」を伝えないのはもちろんのこと、「関係はしていても、言わなくても結論が伝わる情報」も伝えてはいけません(中略)自分としては懇切丁寧に伝えているつもりでも、相手にとってはわかりづらくなるだけ。逆効果なのです。だから、余計な情報はどんどん切り捨ててください(36ページ)

同じひとつの出来事であっても、相手が「誰」であるかによって、「何を」伝えるのかは変わってきます。納得してもらうための「理由」も、相手によって変わってくるのです(中略)伝える内容を考えるうえで最も重要なのは、「誰に伝えるか」なのです(38ページ)

 ステップ1です。わたしの場合は、多く説明すればいいというものではないというところが、身に覚えがあります。わかりやすくというと、ついついより多くのことを説明すればいい、と考えてしまいがちです。

 

「誤解しないように、正確に伝えよう」としすぎると、情報量が多くなりすぎます。その結果、相手は聞いた内容を覚えていられなくなってしまうのです(中略)だから、覚えていられるくらいの情報量にしなければいけないのです(100~102ページ)

まったく予備知識ない人に「この生命保険には特約がありますが、20歳から23歳までの男性には、一部例外がありまして・・・・・」と伝えても、理解できるはずがなく、まずは大枠をつかんでもらうことを優先しなければいけません。そういうときには、「実は細かい例外もありますが、基本的には〇〇です。それ以外については後ほどご説明します」などと、「基本的には」「原則的には」という言葉を添えておけば大丈夫です(104ページ)

 先ほど36ページの内容に関連しています。余計な情報をどんどん切り捨てるといっても、どのぐらいすればいいのか、どうやってすればいいのか、というのは悩ましいです。この記述は、その具体的方法を説明してくれています。

 

私たちは、ついつい修飾語を入れてしまいがちです。そのほうが、なんとなく相手にいろいろと伝わりそうな気がするからです。しかしそれは逆効果です。一文が長くなり、わかりづらくなってしまいます。基本的に「修飾語」は使わないというくらいのつもりでいたほうがいいでしょう(51ページ)

相手に納得してもらうためには、論理的に伝えることが不可欠です(中略)ロジカルシンキング(論理的思考)を思い起こす比ともいるかもしれません。たとえば、コンサルティング会社のマッキンゼーが提唱している「MECE」です。これは、ある物事について検討するにあたって、モレなく、ダブりなく要素を挙げつくすための思考法です(中略)しかし、そんなことをしたら逆効果です。モレなく、ダブりなく伝えようとすると、むやみに細かい話になります。相手にとってはかえってわかりづらくなるだけです(中略)明確な結論と、それを納得してもらうための「理由」と「具体例(具体的で客観的な事実)」が、正しい順序で語られれば、それは「論理的な伝え方」になります(88~90ページ)

これも同じく、余計な情報をどのように切り捨てるかという話です。88~90ページの内容は、次のテンプレップの法則にもつながってます。

 

やらなければならないのは、「正解が正解である理由」を伝えたうえで、「不正解が不正解である理由」も示すことです。「B案とC案は〇〇という理由でNG。だからA案なんです」ということも言わなければ、相手は納得してくれないのです(95ページ)

ついつい、A案が正しい理由だけ説明して話し終えた気になってしまいます。一見、B案、C案の話は余計な話に見えますがそうではない、ということですね。盲点です。

 

「テンプレップの法則」とは、

①話のテーマ(Theme)

話のテーマを冒頭で伝える。「これから〇〇について話をします」

②言いたいことの数(Number

「言いたいことはいくつあるのか」を伝える。「お伝えしたいことは〇個あります」

③結論・要点(Point)

言いたいことの結論・要点を伝える。「結論から言いますと、お伝えしたいのは××ということです」

④理由(Reason)

・伝えた結論が正しいと言える理由を伝える。「(結論から言いますと、××です。)その理由は〇〇です」

・なぜそれを、今伝えているのか、その理由を伝える。「この話をしているのは、〇〇だからです」「この話は、次の△△の話を理解するために必要です」

⑤具体的な話(Example)

結論を細くする具体例を示す。「たとえば、こういうことがあります(だからこの結論は正しいのです)」

⑥結論・要点(Point)

最後に結論・要点を繰り返す。「ということで、今回お伝えしたいのは××でした」

この6つの順序で話す。これが「テンプレップの法則」です。この法則に従って伝えれば、「・・・・・・で?結局、何が言いたいの?」と言われることはなくなります(72~73ページ)

何かを伝えるときには、まずは「テンプレップ」のすべての要素を頭に思い描き、そのうえで、「要・不要」を考えながら調整していきましょう(76ページ)

 ステップ3です。これを身に付けるには、相当な慣れが必要かなと思います。特に、口頭で話すときにこれを意識するのは相当難しいと思いますが、それも慣れでしょう。話す順序の話ですが、話す内容というステップ1の要素も入ってます。

 

「テンプレップ」の法則を使ううえで、まず第一に覚えていただきたいことがあります。それは、「概要→詳細」の順序で伝えるということです(中略)ニュースを紹介するときに、アナウンサーは必ず最初に、「今日、〇〇で××の事件が起きました」「今日は東京で××祭りが開催されました」など、まず「何の話か」を伝えています。そして、その後にニュースの詳細や現場のVTRなどが流れて、詳しい解説が始まります。いきなり細かい話をされても、「何の話なの?」「何を言おうとしているの?」などと頭の中が「?」だらけになってしまいますよね(78~79ページ)

トークのプロであるお笑い芸人も同じ話し方をしています(中略)すべての芸人さんが、自分のネタを話し始めるときに、必ず「あのぅ~、ウチの母ちゃんの話なんですけど~」などと「話の大枠」を伝えているのです。わかりにくい話をしているようでは、とても「笑い」はとれません。そのために芸人さんは完璧に訓練されているのでしょう(81ページ)

テンプレップの法則の具体例ですが、わかり易いです。これまでは、こういうことに気づきませんでしたが、確かにそうだなあと思います。

 

「主語」と「述語」が不明確だと、とたんにその文章は「意味不明」になります。たとえば、次の文章を読んでください。「アメリカに行ったとき、『ポテトチップスが好きだ』と言っていた」「主語」がありませんね(中略)たとえば次のように「主語」を入れれば、意味がはっきりします。「私がアメリカに行ったとき、スーザンは『私はポテトチップスが好きだ』と言うっていた」(中略)日本には「皆まで言わなくても察するべき」という文化があります。そのため、知らず知らずのうちに言葉を省略してしまいがちなのです。特に、「話し言葉」では、無意識に「主語」と「述語」を省略してしまうことが多いのです(41~42ページ)

ここからは、ステップ2と4です。 主語と述語を明確にするぐらいはちゃんとやっている、とわたしなどは思っていましたが、このように指摘されると、やっぱりちゃんとできていないかも、と思ってしまいます。具体例(アメリカに行ったことについての文章)のような言い方、わたしも普段していたなあと思います。

 

「彼は、今日彼女は仕事を休んで職場にいないと思っていた」単純な内容ですが、スッと頭に入ってきません(中略)これも、「よくあるミス」で「主語」と「述語」の関係が複雑になると、とたんに相手は意味をつかみづらくなります(中略)では、どうすればよいのでしょうか?ひとつの案は、「彼女は今日仕事を休んで職場にいないと、彼は思っていた」です(中略)もうひとつお勧めしたい方法は、文章を分けるという方法です。「今日彼女は仕事を休んで職場にいない。彼は、そう思っていた」(中略)「できるだけ、ひとつの文章に『主語』と『述語』はひとつずつにする」ことにすれば、この類のミスは大幅に減らすことができます(44~45ページ)

同じ内容をあらわす文章でも、悪い例と良い例を比べてみると、その分かりやすは全然違います。木暮氏の言いたいことがよく分かります。

 

「主語」と「述語」の関係をわかりやすくするために必要なのは、「とにかく一文を短くすること」です。この「一文を短くする」ということは、伝えるときの鉄則です。これは、「主語」と「述語」の関係をわかりやすく整理するのみならず、わかりやすい日本語を使うための万能薬なのです(中略)聞き手・読み手は一文全体を把握しようとするので、「。」が来るまですべての情報を頭の中にストックしておこうとするからです。長い文章を理解するためには、いろいろな情報をもちながら、話の内容を把握しなければなりません。そのため、「理解すること」よりも「覚えておくこと」に脳の容量の多くを割かなければならなくなります。「理解する」ことに集中できないのですから、当然の結果として「話がわかりにくい!」となるわけです(中略)とはいえ、場合によっては、どうしても長くなってしまうことがあります。そんなときでも、「接続助詞はひとつまで」にすべきです(46~48ページ)

わかり易く説明するために一文を短くすることが大事ということ自体は、この本に限らず、よく指摘されます。この本の説明の素晴らしさは、その理由をわかりやすく述べているところにあります。

 

「専門用語」「業界用語」は相手が「知らない言葉」でそれを伝えられたら、理解できるはずはなく、相手が知っている言葉で伝えなければいけないのは、基本中の基本です。しかし、相手が知っている言葉であれば、何でもいいのかと言えば、そうではありません。「(知っていても)理解しづらい言葉」があります。それらも使ってはいけないのです。「理解しづらい言葉」の代表格は「熟語」と「カタカナ語」です。こうした言葉もできるだけ使わないようにしてください。小学生でもわかる言葉を使う。そう思っているくらいでちょうどいいと思います(57ページ)

多くの熟語は「漢字+ひらがな」に置き換えて表現することができます。たとえば「黒字化」という熟語は、「黒字になる」と言い換えることができます(中略)「確実視」という熟語は「確実だと見る(思う)」と言い換えることができます(58ページ)

わかりやすく伝えるためには、カタカナ語は、できるだけ日本語に置き換えてから伝えるように努めなければなりません。「ダイバーシティ」=多様性・相違点 「ワークシェアリング」=業務分担・勤労者同士で雇用を分け合うこと 「モチベーション」=やる気 「コミット」=目標に対して責任をもつ 「マーケット」=市場 「ディヴィジョン」=部署 「モニタリング」=点検・管理(中略)「小学生に通じないカタカナ語は、日本語に置き換える」と考えていただければ大丈夫です(60~61ページ)

「正しい言葉を使って、正しく表現すれば、伝えたいことがそのまま伝わる」ということが誤りだと気づきます。皆さんが投げかけた言葉が“辞書的に正しい”かどうかは問題ではありません。率直に申し上げて、そんなことは「どうでもいい」のです(中略)重要なのは、自分がどんな”文字列”を伝えるかではなく、その文字列によって、相手がどんな「心像」(イメージ)を抱くかです(中略)正しく伝えたいのであれば、正しい(意図通りの)イメージを描いてもらえるようにしなければならないのです。そのためには、投げかける言葉を相手によって調整する必要があります(131~132ページ)

言葉のひとつひとつにも気を使う必要がありますね。どれもついついやってしまいがち、というか、これまでやってしまっていたことばかりです。これまでのわたしの説明がなぜわかりにくかったのか、よく分かります。

 

別の表現パターンを探すことが、説明力を上達させる第一歩なのです(150ページ)

自分が使っている言葉を棚卸したうえで、使える言葉を増やす努力をしなければなりません(中略)皆さんの言葉のストックが多ければ多いほど、伝わる可能性も高まる(中略)どんなトレーニングをすればいいのでしょうか?簡単です。日頃から、「言葉の言い換え」を繰り返すことです(中略)いつも同じ言葉しか使っていないと「表現の可動域」が狭くなって、伝えられる相手の範囲も極端に狭くなってしまいます。「専門家」と言われる人たちの多くの話がわかりづらいのは、普段から同じ言葉ばかり使っているからなのです(151~153ページ)

100%正確に伝えることよりも、要点を伝えるために「ざっくり」と伝える技術こそを身につける必要があるのです(157ページ)

 先ほど紹介した131~132ページの部分に関連します。投げかける言葉を相手によって調整できるようになるためにはどうすればよいのか、を具体的に述べています。最後の専門家の話がわかりづらい理由は、とても説得的です。

 

「来月のイベントに向けて、ちゃんと手配をしておいて」自然な響きで、一見何も問題がないように見えます。しかし実際に「手配」しようとして、はたと気づきます。「手配するって、具体的に何をすればいいの?」と。「手配する」という動作はありません。この言葉は、なんとなく必要なことをやっておくという意味だけで、実際には何も表してはいないのです(中略)「コミュニケーション」「手配する」など、抽象的な言葉は、とても便利です。抽象的であるがゆえに、さまざまな場面で使えます。だから、楽なんですね。しかし、楽をしたことによって、話が相手に伝わらないという結果になってしまうのです(64ページ)

木暮氏の指摘が的確すぎて、何も言えることがありません。

 

「今度の月曜日に、大人数の会議があるから、広い会議室を押さえておくように」こう言われて、指示どおり「広い会議室」を押さえることができますか?「大人数」とは何人なのか?「広い会議室」とは具体的にどのくらいの広さなのか?雰囲気としては伝わっているでしょう。そのたえ、4~5人しか入れない会議室を予約することはないと思います。しかし、では何人が入れればいいのでしょうか?20人?30人?実は、このときの参加者は50人でした。「大人数の会議」とだけ言われて、50人が入れる会議室を予約する人は、おそらくいないでしょう(中略)こういう形容詞はできるだけ数字に置き換えて、具体的に伝えるようにしなければなりません(65~66ページ)

こういう話は、わたしも経験があります。聞き手が話し手に対して、「大人数とは言われましたが、50人とは思いませんでした」と言うと、こういうことを言う話しては、「大人数といえば、50人に決まっているだろう。」と言い返してくることが多いです。いつどこでそんなこと決まったのだろう?と突っ込みたくなります。

 

複雑な話をするときに、注意していただきたいことがあります。それは、ひとつひとうの話の「意味づけ」を確認するということです(中略)「なぜ今、その話をしているのか」という「意味づけ」を付け加えることで、納得感が格段に増すのです(92~93ページ)

最初に概要から入るという話とも似ていますが、少し別の話ですね。概要から詳細に入って、その詳細を話すときに注意することかなと思います。

  

結論を明確にし、「テンプレップの法則」で正しい順序で話を組み立てて伝えるべきです。無計画に何度も同じ説明を繰り返すのは「わかりやすい伝え方」ではありません(中略)大事なポイントは、何度も繰り返し説明することで、相手の記憶にしっかりと定着させなければならないのです(106ページ)

「間違えやすいポイント」も、繰り返し注意を促しながら伝えるようにしなければなりません(中略)このような「間違えやすいポイント」を伝えるときは、その都度相手が誤解していないか確認しなければいけません。一度「アメリカの首都は、ワシントンD.C.です」と伝えても、しばらくして「先週、日本の総理大臣がアメリカの首都を訪問しました」と言うと、相手は再び「ニューヨーク」をイメージしているかもしれません。だから、その都度、「アメリカの首都はニューヨークじゃないんですよ、ワシントンD.C.ですよ」と確認して、間違いを修正しなければいけないのです(109ページ)

話の内容をわかってもらうためには、根拠となるデータや主張を覚えてもらうことも必要です。つまり、暗記が必要なのです(中略)相手を説得する場合には、段階を踏んで説明しなければけないこともあります。そのようなときには、結論の根拠となるデータや情報を暗記してもらわなければ、再現不能になってしまうのです(中略)相手が暗記するまで、繰り返すのです(中略)できるだけ「暗記ポイント」を絞り込んで、そのかわりに、そのポイントについてはしつこいくらいに繰り返し強調して、しっかり覚えてもらうことです(111~113ページ)

知識として暗記してもらうよりも、その理屈を完全に納得してもらったほうが、記憶に残ります(116ページ)

「重要ポイント」のみを抜き出して「見せる」ということです。そして、そのときには、必ず「箇条書き」にするということです(中略)「重要ポイント」について繰り返すときに、そこを指差しながら視覚でも確認してもらうのです。目と耳の両方で確認することで、確実に記憶への定着が強くなります(117ページ)

相手に伝えたないようを記憶してもらい後で再現してもらうためのテクニックです。「わかる」ことのうちの「③再現」の話に当たります。様々なテクニックを聞くと、いかにわかりやすく説明したとしても、それだけでは相手が覚えてくれることはない、と思わないといけませんね。一方、テンプレップの法則で組み立てた話す内容の順序は変えないようにしないといけませんので、実際の説明時にさりげなく繰り返したりすることが求められそうです。

 

もうひとつ、解決しなければいけない問題があります。それは「論理の行間」です。話を納得してもらうためには、論理的に伝えなければなりません。結論と併せて、「なぜそう言えるか」という理由を、具体例を提示しなければなりません(中略)ただし、注意しなければいけないのは、この論理にも「行間」があるということです。つまり、「端折っている部分がある」ということなのです(164ページ)

ある人には、「AだからB、BだからC」と伝えるべきでも、別の人には「AだからZなんだよ」とだけ伝えればいいこともあります。そんなときに「AだからB、BだからC・・・・・」と言うと、「そんなことわかりきっている。くどい!」と言われてしまうでしょう。反対に、何もわからない人が「ほら、AだからZなんだよ。わかるよね?」と言われても、「???」となります(中略)相手によって「どんな『行間』が適切か」は変わるということです(169ページ)

普段、「当たり前」と思っている事柄について、「どういう理屈で?」と自問してくさい。改めて、自分の中で整理しなければいけない理屈がたくさんあることに気づくはずです。それらをひとつずつ、確認していってください。それが、「論理の業界」を調整する力となるのです(173ページ)

 最後にちょっとしたちゃぶ台返しが行われます。それまでは、相手に応じて丁寧に説明するという話だったのが、丁寧すぎるのも問題という話になっています。たしかに、相手に応じてする以上、丁寧すぎることがかえってよくないこともあり得ることです。

 

説明力は観察力・想像力に通じるところがありそうです。