日々読書、時々一杯、折々投資

モグパクです。都内で働くサラリーマンです。 新書・文庫を1日1冊読むのを日課にしてます。あと、酒(主に日本酒)を飲むこと、投資をすることが好きです。

世の中で常識といわれていることほど(いちどは)疑ったほうがよいことがよく分かる本

地球はもう温暖化していない(著者:深井有)、平凡社新書、2015年10月初版第1冊、

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グーグルニュースで「地球温暖化」をキーワードにして検索してみると(2018年1月3日)、地球温暖化をとうぜんの前提としているニュースがヒットします。たとえば、こんなのがありました。

 

今世紀末の高知は年130日が真夏日? 気象台が予測|高知新聞

相次ぐ豪雨災害「避難」へ新たな取り組みを|日テレNEWS24

 

しかし、この本のタイトルはそれを真っ向から否定します。詳しくみることにします。

 

世界の気温は過去100年に波打ちながら上昇し、1998年からは頭打ちになった。気温が上昇したのは100年のうち半分しかない(21ページ)

CO2濃度が1850年ごろから増え始めたのは産業革命以降、化石燃料の燃焼によって大気中に排出されたCO2によるものとされている。その増加は1950年ごろから顕著になって、2013年5月9日に濃度は400ppmを超え、今なお増加し続けている。これに対し、気温はそれ以前から大きく変化していてCO2との相関は明らかではない。とくに西暦1000年前後の中世温暖期にCO2濃度が高かった痕跡が見られないことに注意しておく。大まかに言えば、温暖化は300年前から起こっていたことであって、その主な原因を人為的CO2排出に求めるには無理がある(29ページ)

 

そもそも地球の温度は近年は上昇していないし、過去の上昇とCO2との間に関係はないということです。深井氏はこんごの地球の温度についてこう述べます。

 

過去160年来、世界の平均気温は確かに上昇傾向にあって、その割合は100年間に約0.7℃である(92ページ)

現在は太陽活動が史上稀な活動期を終えて、急速に弱まりつつある(中略)これにしたがって宇宙線強度も急速に弱まることが予測される(139ページ)

宇宙線による寒冷化は今後に予測されるCO2による温暖化によってかなりの部分が打ち消され、その結果、今後100年にわたって気温はほぼ横ばいから若干低下することになると予測される(中略)宇宙線による寒冷化がCO2による温暖化をはるかに超える時期がたびたび訪れることになる。寒冷化の可能性は極めて高いと考えられる(142~143ページ)

 

温暖化とは逆つまり寒冷化です。どの程度の寒さなのかは分かりませんが、少なくともいまよりは温度が低下することは間違いないようです。そうすると、地球温暖化の問題など議論する必要全くないことになりますし、その対策としてのCO2排出量削減もまったく意味のない対策ということになります。しかし、なぜ、そのような間違いが起こってしまったのでしょうか?

地球温暖化の問題は、国連機関であるIPCC気候変動に関する政府間パネル)が唱え始めました。

 

IPCCは冷戦終結と説きを同じくして設立されたのは、偶然ではあるまい。それまで二大勢力間の調停が主な役割だった国連は新しい世界秩序の中での役割を模索していた(中略)気候変動問題はそのうちの一つと考えられた(154~155ページ)

 

設立経緯がこのようなものだからといって、ただちにその主張があやしいということにはなりません。しかし、地球温暖化の問題についてはとんでもない話がありました。

 

IPCCが「人間活動による気候変動がもたらす危険性を評価する」という目的で設立されて以来、それに科学的根拠を与えることを使命とされた専門家集団は、次第に「科学」よりは「大義」に殉ずるようになっていき、その過程で気候科学そのものを変質させてしまったのだ。CO2温暖化の主張に合うように観測データを改竄したのではないかとか、IPCCの主張に合わない論文の発表を妨害したのではないか等々、年を追うごとに多くの疑惑をもたれてきたのだが、2009年11月19日、それらの隠微な所業のすべてが白日の下に曝された。IPCCの「科学」のまとめ役だった英国イーストアングリア大学気候研究所(CRU)のコンピュータから1000通以上のメール記録が流出して、世界中に広がったのだ。のちに「クライメートゲート事件」と呼ばれるようになった出来事である(中略)そこには科学者としてあるまじき作為や、品性が疑われるような言辞がいやというほど詰まっていた。この事件は、諸外国では大々的に報道され、それを契機としてIPCCとのその主張-CO2温暖化論-への信頼は一気に落ちた(ところがわが国ではこの事件はほとんど報道されず、相変わらずCO2温暖化論が広く信奉されている)(55ページ)

 

いまから8年以上前の事件ですが、わたしはこの本を読んで初めて知りました。衝撃です。科学者の品性がとれだけ下劣であっても、その研究結果が学術的にみて適切なものであればまったく問題はありませんが、まさにその問題が明らかになっています。

 

1999年11月16日、CRU所長ジョーンズからのメール

今、過去20年間(1981年以降)の年輪データに実際の温度測定の結果をつなぐというマンの「ネイチャー」誌でのやり方(trick)を使ってまとめたところだ。ブリファのデータについては1961年以降、気温が低下傾向を示すところは隠す(hide the decline)ことにした(57ページ)

 

地球温暖化がテーマなのに、気温の低下という重要な反証を隠すというのは、どう考えても科学ではありません。いわゆる結論ありきというやつです。証明される内容はあらかじめ決まっていて、それをどう証明するかを考えるのは、科学者ではなく宗教家の仕事でしょう。流出したメールの内容そのものではありませんが、とても分かりやすい例を紹介します。

 

エッシェンバックは、CRUが都市データをどのように取り扱っているかを知りたいと思って測定地点のリストを請求した(中略)情報公開法に訴えてやっと入手したリストを見て、彼は驚いた。世界の主要都市のデータがそのまま使われているではないか!バンコック、バルセロナ、北京、ブエノス・アイレス、京都、リスボン、モスクワ、名古屋、大阪、サンパウロ、ソウル、上海、シンガポール、東京、等々(エッシェンバック2009a)。これは重大な意味をもつ。都市化によるヒートアイランド現象は、見かけ上、過去100年間の温暖化を作り出すことになるからだ。都市データを除外しなかったのは、近年の温暖化を演出するための、不作為の作為だったのではないかと疑われても仕方がない(60~61ページ)

 

ヒートアイランド現象による気温上昇は無視できる程度ということが前提にあるのかもしれませんが、そうとも言えないようです。

 

気温上昇には大きな地域差があって、過去80年間に東京では2.5℃も上がったのに対して中都市では1.5℃程度、都市を離れたところでは1.0℃以下でしかない。大都市ほど気温上昇が大きくて、それは年を追うごとに(とくに70年代以降に)大きくなっている。これは都市化に伴うヒートアイランド効果によるものと考えられる。都市の気温を上昇させる要因はいろいろあるけれども、熱放出の集中が主な原因であると言ってよい(88ページ)

 

ここまでの地球温暖化に関するIPCCの話は、IPCCと同じく国連の機関であるWHOによる禁煙キャンペーンの話と極めて類似しています。興味あるかたは、こちらをどうぞ。

 

mogumogupakupaku1111.hatenablog.com

 

地球温暖化の話があやしい話であるとしても、それがわたしたちに何か関係あるのか?という疑問がでます。大いに関係あるんです。

 

地球温暖化対策への日本の国内予算支出は少なくとも年間3兆円に上っている(中略)2012年10月から導入されて国民に年間2600億円の負担を強いている環境税も、温暖化対策という目的が不合理なので廃止すべきである。この他に温暖化関連の支出としては途上国援助の約1兆円があり、合計すると、毎年われわれの税金から約4兆円が投じられていることになる。実は、温暖化対策の負担はこれだけではない。CO2排出削減はエネルギーコストの上昇を招くことでGDPを1~2%(5~10長円)押し下げると試算されている(エネルギー・環境会議2012)。この逸失利益を加えると国民負担は年間9~14兆円、1世帯当たりでは20万円にもなる(189~190ページ) 

 

 

消費税1%は金額にすると約2兆円といわれていますが、毎年4兆円も無駄遣いがあるのであれば、それをなくせば、消費税率を8%から10%に引き上げたのと同じ効果があります。4兆円の無駄遣いをなくし、同時に、消費税を8%から6%に下げて欲しいです。

地球温暖化対策は日本独自の政策ではなく、世界各国といっしょに進めている政策です。しかし、各国の国民の意識はだいぶ違います。

 

世界の国別に「気候変動は人為的要因によるものか」、「気候変動を脅威と考えるか」という設問にイエスと答えた人の割合を見ると、気候変動を脅威と考える人の割合は最近5年間で先進国で大きく減っている(中略)これに対して、日本の数字は飛びぬけている。気候変動を脅威と考える人の割合は断トツである。人為的温暖化を信じる人の割合も2007~2008年に大多数の国が50~60%であったのに、日本は90%を越えていた(中略)日本に常識は世界の非常識になりつつあるのだ(19~20ページ)

 

2007~2008年に行なわれたギャラップ調査と2013年に行なわれたピュー研究所の調査結果の抜粋です。2017年6月1日、トランプ米大統領地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から米国が離脱すると発表しました。この調査結果を見ると、トランプ氏の判断もとうぜんという気がしてきます。日本のマスコミはトランプ氏に批判的でしたが、果たしてどちらが「常識」なのでしょうか?

この本を読むまで、8年以上前の「クライメートゲート事件」を知らずに地球温暖化問題の存在を信じていたわたしがどちらなのかは、言うまでもありません(笑)